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“ラスト国立”で復活弾だ!香川「被災地に勝利ささげたい」

[ 2014年3月4日 05:30 ]

軽快な動きで練習をこなす日本代表MF香川

 日本代表は3日、親善試合ニュージーランド戦(5日、国立)に向けて都内で合宿をスタートさせた。11年3月11日の東日本大震災の影響で中止になった国立開催のニュージーランド戦が4年越しで実現。95年1月17日の阪神大震災がプロを目指す原点になったMF香川真司(24=マンチェスターU)にとっては思い入れの強い一戦となる。所属クラブで苦境に立たされる中、20年東京五輪に向けて改修工事に入る国立での最後の国際Aマッチで復活を期す。

【日本代表メンバー 日程】

 東日本大震災に関する話題になると、香川の口調が熱を帯びた。「あれから3年がたつけど、常にゴールや勝利を被災地にささげたいと思っている。W杯イヤーだし、東北の皆にも盛り上がってもらいたい」。当初は11年3月29日に予定されていたが、震災の影響で中止になり、4年越しで実現するニュージーランド戦。11年2月22日にクライストチャーチで起きた大地震の義援金として収益から500万円を寄付することも決まっており、意義深い一戦となる。

 震災がなければ今の香川はなかったかもしれない。神戸市垂水区に住んでいた5歳の時に阪神大震災を経験。その年の春に神戸市立乙木小でサッカーを始めた。復興支援で小学校を訪問した三浦知良(現J2横浜FC)のスーツ姿に憧れて「カズさんのようになりたい」とプロになることを決意。東日本大震災で大きな被害を受けた仙台市は中学から高校2年まで過ごした思い出深い土地で、震災なしに人生を語ることはできない。

 国立の改修前最後の国際Aマッチになることも発奮材料だ。前回の国立開催の代表戦は10年2月14日の韓国戦(●1―3)。香川は精彩を欠き途中出場途中交代の屈辱を味わった。試合後は人目をはばからず涙を流した苦い思い出があり「歴史あるスタジアム。憧れの舞台を楽しみたい」との思いは強い。憧れのカズは97年6月22日のマカオ戦(○10―0)で1試合6得点を挙げるなど、国立での国際Aマッチ通算29ゴールを決めている最多得点者。キングに近づくためにも、09年2月4日のフィンランド戦以来の代表での国立弾を狙う。

 所属するマンチェスターUでは厳しい定位置争いに苦しみ、2月の公式戦出場は後半15分から途中出場した25日の欧州CLオリンピアコス戦のみ。コンディションを上げるため代表合宿に先駆けて1、2日に単独合宿を張るなど復活に懸ける思いは強い。

 「こんなに大きい壁は経験がない。これを乗り越えれば成長できるし、ポジティブに捉えている。W杯イヤーというのも意味があると思う。今の苦境を良い話に変えるには結果を出すしかない」

 日本代表でも昨年9月10日の親善試合ガーナ戦(日産ス)を最後に4試合得点から遠ざかっており、多くの意味を持つW杯イヤーの初戦。背番号10がサッカーの聖地で魂のこもったプレーを見せる。

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