工藤　ザック御前弾！し烈な代表ポジション争いへ存在感アピール

＜柏・ＦＣ東京＞後半１８分、ゴールを決めた柏・工藤がサポーターの声援に応える

Ｊ１第１節 柏１―１ＦＣ東京

（3月1日 柏）
　柏は鮮やかな連係から値千金の一撃が生まれた。０―１の後半１８分、右サイドでパスを受けた工藤が中央のレアンドロ・ドミンゲスにボールを預け、ペナルティーエリア内に進入。ダイレクトパスでレアンドロを経由したボールが戻ってくると、迷わずに右足を振った。強烈なシュートはＧＫ権田の手をはじき左隅へ。「ゴールが自分の仕事。開幕戦でしっかり取れたことをポジティブに捉えたい」と胸を張った。

　昨季は３月３日の川崎Ｆとの開幕戦で得点して勢いに乗り、自己最多の１９得点を記録。昨季途中から続けるホームの試合当日に三色丼を食べる験担ぎも実り２年連続の開幕弾を決めた。昨年９月にジュニアアスリートフードマイスターの資格を持つ女性と結婚。高タンパク、低カロリーの和食中心の生活で体重を１００グラム単位まで管理している。昨年１２月に世界遺産に登録された和食パワーも好調を支える一因だ。

　この日はＷ杯イヤーのＪリーグ開幕戦。スタンドでは日本代表のザッケローニ監督が視察していた。５日にニュージーランド戦を行う日本代表に選出されている工藤は、後半４０分にバー直撃のシュートを放つなど得点以外でも存在感を発揮。「監督が来ていることは知らなかった。良い印象を与えられたなら良かったと思う」と前を向いた。

　この日は２トップの一角を務めたが、代表では２列目の右サイドが主戦場。岡崎（マインツ）らとの定位置争いはし烈で「試合に出たら岡崎選手以上のゴールやインパクトを残さないといけない」とライバル心をむき出しにする。１０年Ｗ杯南アフリカ大会では開幕直前に先発が大幅変更した例もあり、最後まで何が起こるか分からないのがＷ杯のメンバー争い。２３歳のストライカーが、ブラジルへと続くシーズンで上々のスタートを切った。

　≪代表２列目は激戦≫４―２―３―１のシステムを敷く日本代表のＦＷの先発枠は１。現時点は柿谷（Ｃ大阪）が１トップの定位置争いをリードしている。岡崎（マインツ）、工藤（柏）はＦＷ登録だが、主戦場は２列目となる。ニュージーランド戦メンバーでは本田（ＡＣミラン）、香川（マンチェスターＵ）、清武（ニュルンベルク）、斎藤（横浜）が選出されているポジションで定位置争いはし烈だ。