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国民的スター・イルファン J挑戦を後押しした本田への憧れ

[ 2014年2月23日 07:46 ]

インドネシア人初のJリーガー、イルファン

14年J1注目株 甲府 MFイルファン

 その両肩には東南アジアの未来が懸かっている。甲府にインドネシア人初のJリーガーとしてイルファン(25)が加入した。「目標は日本での成功。地元の人にも応援してほしいし、インドネシア代表を強くしたい」。商業ベースで期待される側面も持つが、Jリーグが目指しているアジア戦略の新たな成功例となる可能性を秘めている。

 イルファンは本田圭佑(ACミラン)の背中を追って日本にやって来た。オランダに生まれ、名門アヤックスの下部組織で育った。ユトレヒト時代の08年には当時VVVフェンロに所属していた本田とも対戦。「できないことがないのでは…という高いレベルだった」。この経験が日本での挑戦を後押しした。

 インドネシアでは国民的な人気を誇るスター。しかし現時点で即戦力となるかは未知数だ。それでも「一選手として高いレベルを目指すのは当然。二度とないチャンスかも、と考えた」という。保有権を持つタイの名門チョンブリとの契約を残しながら自ら違約金の交渉にも立ち、移籍を直訴した。甲府側も自治体との協力態勢を整え、異国の挑戦者を受け入れた。

 1月末には早速、家族とともに来日した。宿泊先から甲府駅まで散策している途中で迷子になるハプニングが起きたが、近くで庭いじりをしていた男性が車で駅まで送ってくれたという。感激したイルファンはますます日本が好きになり、新天地での成功を誓った。

 ポジションは2列目のシャドーストライカー。比較的、試合出場のチャンスが得やすいポジションだ。「これからの展開は自分次第」。インドネシアからやって来た挑戦者は鳶(とび)色の目を輝かせた。

 ◇イルファン・バフディム 1988年8月11日、オランダ・アムステルダム生まれの25歳。インドネシア人の父とオランダ人の母を持つ。07年にユトレヒトでトップ昇格し、ハーレム時代の09年にオランダリーグ初ゴール。10年8月からインドネシアでプレー。プルセマ・マランでは51試合28得点。10年にインドネシア代表入り。1メートル72、66キロ、利き足は右。

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2014年2月23日のニュース