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解任劇ミラン救うぞ!本田 デビュー戦で衝撃の左足披露

[ 2014年1月14日 05:30 ]

サッスオーロ戦でセリエAデビューを飾ったACミランのMF本田

 ACミランの日本代表MF本田圭佑(27)が衝撃のデビューを飾った。12日の敵地サッスオーロ戦で2―4の後半20分から途中出場。得点こそなかったが38分に右ポスト直撃の強烈な左足シュートを放つなど存在感を見せた。一方チームは3―4で敗れ、マッシミリアーノ・アッレグリ監督(46)が翌13日に解任、マウロ・タソッティ助監督(53)が暫定的に監督に就任することが決定。激震の走る名門の巻き返しへ本田への期待は高まった。

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 名刺代わりの強烈な左足に、1万7430人の観客も一瞬にして静まり返った。後半38分、ペナルティーエリア外、ゴール中央やや右でモントリーボのパスをダイレクトで振り抜くと、シュートは右ポストを直撃した。スタジアムを包んだ霧をも切り裂く衝撃の一発。デビュー弾とはならなかったが、わずか左足一振りでカルチョの国を震撼(しんかん)させた。

 スタジアム入りした時も、ベンチに座っている間も、ウオーミングアップを開始した時も、カメラのレンズは常に本田に向けられた。日本だけでなくイタリアでも大きな注目を集めた初陣。そしてデビューの瞬間は後半20分に訪れた。ポジションは4―4―2の右MF。得意のトップ下ではなかったが、その34秒後には自陣の右サイドでデシリオとのパス交換で記念すべきファーストタッチ。そこから本田がチームを掌握するのに時間はかからなかった。後半32分には監督に向かって激しいけんまくで英語で要望を伝えるなど、早くも王様ぶりを発揮。セットプレーのキッカーも務め絶大な存在感を示した。

 本田の初陣は期待に十分に応えるものだった。そして、それは激震したチームの再建の使命を背負う始まりともなった。今季セリエAに初昇格したサッスオーロ相手に屈辱の逆転負けから一夜。13日朝にアッレグリ監督の解任とタソッティ助監督の昇格が決定した。ガリアーニ副会長は練習に先立ち選手を前に約1時間のミーティング。「とても残念なことだが、これがサッカーだ」と時に声を荒らげチームを鼓舞したという。引き続き新体制での練習が行われ本田も汗を流した。

 今後、本田は自らの存在を懸けて残りのシーズンを戦うことになる。「(ミラン移籍まで)時間はかかってしまったけど必然なんですよね。2年前に仮にここに来ていても、この重圧を乗り切れたかは分からない」と8日の会見で話していたが、チームの勝敗を全て背負う覚悟。それが自ら希望した背番10の宿命だ。

 チームメートの元イタリア代表DFザッカルドが試合後に「最高のデビュー。質、量ともに最高レベル」と絶賛したように、低迷するチームの救世主として高まる期待。「チームに何かスペシャルなものをもたらしたい」と意気込む本田が、名門を浮上させるべく新たな一歩を踏み出した。

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