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横浜21年ぶり頂点 リーグ逆転V許した広島に雪辱2発

[ 2014年1月3日 05:30 ]

優勝に歓喜のポーズを見せる(前列左から)小林、中村、榎本、ドゥトラ、栗原、兵藤、富沢、中沢ら横浜イレブン

 国立競技場改修前の最後の元日決戦で、横浜が広島を2―0で撃破し、21年ぶり7度目の頂点に立った。Jリーグ年間MVPに輝いたエースMF中村俊輔(35)が、攻守に活躍。1―0の前半21分に、CKからDF中沢佑二(35)の2点目を演出し試合を決定づけた。リーグ戦で逆転Vを許した広島に雪辱を果たし、04年のリーグV以来9年ぶりのタイトルを獲得。名門復活への足掛かりを築いた。

 今回は涙はなかった。試合終了のホイッスルが鳴ると、中村は軽くガッツポーズ。メダル授与では、主将として最後尾に並び、天皇杯を誇らしげに掲げた。「終わり良ければすべて良しじゃないけれど、優勝というものを現実にできたので、それはサポーターにささげたい」。Jでは01年ナビスコ杯以来、自身2度目のタイトルをすがすがしい笑顔で振り返った。

 中村を中心に、今季2戦2勝と相性の良かった王者を序盤から圧倒。前半17分に兵藤のパスを受けた斎藤が先制。4分後には中村の左CKから中沢が頭で加点した。

 首位で迎えた昨年12月7日のリーグ最終戦・川崎F戦。ほぼ手中に収めていた栄冠を最後に逃し、中村は試合直後のロッカールームで「もうサッカー辞めるかも」とスタッフに引退もほのめかした。それほど受けたショックは大きかった。しかし、胆のう炎による11月の離脱後は肉や卵を控え、1度の摂取量も減らして節制を続け常にチームの先頭に立ってプレーしてきた。「頬がこけてきた。年取って食事制限するとやつれる」と言いながらも、ひたむきに勝利のために走ってきた。中村だけではない。2月に36歳になる中沢は「練習していない若い選手より、しっかりやっているおじさんの方が走れる。それを示すため戦っている」。そんなベテランの意地がチームを歓喜に導いた。

 国立競技場は今夏から改修作業に入るため、この舞台での決勝は今回が最後。代表などで数々のゴールを決めてきた中村も「ここで優勝できることはなかなかない。思い出を残せて良かった」と感慨深げに話した。衰えを知らない天才レフティー。14年も活躍を期待できると確信させる一年の幕開けとなった。

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2014年1月3日のニュース