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オシム氏がザックJに提言 1次L突破への鍵はギリシャ戦

[ 2013年12月10日 05:31 ]

カウンターを得意とするギリシャのMFカラグニス

 W杯ブラジル大会の組み合わせが決まり、1次リーグでC組に入った日本はコートジボワール、ギリシャ、コロンビアと対戦することになった。比較的、恵まれた組み合わせとの評価もある中で、元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(72)は、ギリシャ戦の勝利を1次リーグ突破の条件に挙げた。

【W杯C組日程】

 日本が入ったC組は、優勝候補の本命がおらず、他よりも危険の少ないグループだ。コロンビアはビッグチームだが、イングランドやブラジル、アルゼンチン、スペイン、イタリアほどではない。優位なのはコロンビアとコートジボワール。ただ、日本とギリシャも力は接近していて十分に戦える。

 日本が決勝トーナメントに進出するためには、どこで勝ち点を計算するかをはっきりとさせるべきだ。私は第2戦のギリシャが大きなポイントになると思う。ここで勝ち点3を奪えれば、コートジボワールからは勝ち点1でいい。逆にコートジボワールに敗れると、第3戦のコロンビア戦に突破が懸かり、きつい。むしろコロンビアに突破が懸かるようなら、日本はその状況をうまく利用できる。

 ギリシャは平均年齢が高く経験があり、とてもやりにくい。相手のプレーを遅らせ、落ち着かせるすべを心得ている。W杯のような大会ではこういうことは重要で、1点リードしようものなら、しっかりと守りを固めて試合を終える。彼らにはカウンターがあり、守備は堅く、そういう戦い方で04年欧州選手権も制した。ただ、欧州予選では私の母国ボスニア・ヘルツェゴビナと同組で2度対戦し、フィジカル面の弱点を露呈した。

 日本が最も警戒しなければならないのはコートジボワールだろう。平均年齢が高く、主力世代の最終時期だ。彼らは長い間ずっと一緒にプレーし、息が合っている。しかし、アフリカ勢はチーム構成が難しく、何が起こるか分からない。スター選手同士がうまくやっていけるかどうかもネックになる。フランス人の監督がどれだけ手綱を締められるのか。

 ドログバは35歳だが、今もチームの大黒柱。プレーし続ける意欲を持ち続ける限り、とても危険な存在だ。だが、しっかり分析すれば引き分けは十分に可能だし、1―0で勝つこともできる。

 コロンビアも危険だ。他の2カ国より選手の平均年齢が若い。ファルカオは27歳だし、ロドリゲスもまだ22歳だ。バルデラマの時代からテクニックは南米でも1、2位を争う存在だ。華麗なパススタイルの伝統に積極性と規律が加わった。ボールのないところでも、動きは危険で抜け目がない。どうしたら彼らを自由にプレーさせることなく止められるか。特に若い中盤の選手たちにボールを回されることのないように、しっかりと対策を立てるべきだ。

 日本はディフェンスの弱点さえ克服できれば、中盤や前線には人材がそろっていて、テクニックとフィジカルの両面で力を発揮できる。そのためにも今後はスペインやドイツのようなできるだけ強い相手とテストマッチを組んだ方がいい。

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