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デマでも疑わずにはいられない!?W杯“抽選の陰謀”

[ 2013年12月3日 05:30 ]

W杯欧州予選プレーオフ抽選会でくじを引くスイス代表のFWフライ(左)

 14年W杯ブラジル大会の1次リーグ組み合わせ抽選が6日午後1時(日本時間7日午前1時)からブラジル北部のサルバドル近郊で行われる。既に開催国ブラジルや2連覇を狙うスペインなどのシード国は決定。世界中の注目が高まる中、スペイン紙マルカが「既に組み合わせが決まっている」と報じた。その真相は?過去に何度も浮上したW杯抽選にまつわる疑惑や陰謀説を追った。

 スペイン紙マルカ(電子版)が11月27日に報じた記事は衝撃的だった。内容はハッカーがFIFAのコンピューターに侵入したところ、既に決定した1次リーグ組み合わせを発見したというもの。開催国ブラジルのA組が、イングランドなどと同じ“死の組”。日本はB組で1次リーグを突破したことがないギリシャなどと同じで、最激戦組は避けられた印象だ。

 実はこの報道はデマだった。メキシコのニュースサイト、エル・デフォルマの記事を転載したものだったが、後日に同サイトが「ジョークだった」と暴露。マルカはすぐに記事を削除したがスペイン主要紙が伝えたことで、信ぴょう性を持って全世界に広まったというのが真相だった。“ウソ”が信じられた背景にはW杯抽選にまつわる“疑惑”があると言える。

 4年ごとに浮上してくるのが“陰謀説”だ。大会を盛り上げるために組み合わせを操作して、開催国有利の組み合わせや、話題を呼ぶ政治色の強い対決を意図的につくっているという噂が毎回のように出る。実際に、開催国は対戦相手に恵まれることが多く、1次リーグ敗退は前回大会の南アフリカだけ。90年大会では開催国イタリアが40年ぶりに出場した米国など弱いチームと同組となったことに、86年大会優勝のアルゼンチン代表MFマラドーナが「アルゼンチンよりもイタリアに有利になるよう仕組まれていた」と文句をつけた。噂されたトリックはこうだ。抽選者の女優ソフィア・ローレンは磁気を帯びた指輪をしており、同じく磁気を帯びた特定のカプセルを取れたというもの。逆にイタリアがクレームをつけたのは06年ドイツ大会で、同国のテレビ局は「イタリアが不利になるように、温度が違う抽選カプセルが使われていた」と伝えた。

 FIFAは「我々はマジシャンではない」と操作を含めた疑惑を否定している。話題を呼ぶのは世界中から注目されている証拠。視聴者が2億人を超えるとみられる今回の抽選会で、ドラマだけでなく新たな疑惑も生まれるかもしれない。

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2013年12月3日のニュース