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U17代表 悔しい終戦…支配率75%圧倒も惜敗

[ 2013年10月29日 06:00 ]

<日本・スウェーデン>前半36分、エングバル(16)に2点目のゴールを許す

 U―17W杯は決勝トーナメント1回戦が28日にUAEのシャルジャで行われ、D組1位の日本はF組3位のスウェーデンに1―2で惜敗し、2大会連続3度目の8強入りはならなかった。世界中を驚かせたポゼッションサッカーで相手の高さに挑んだが、前半に2失点。猛攻を仕掛けた後半にオウンゴールで1点を返したが、ベスト16で大会を去ることになった。

 快進撃を続けていたヤングジャパンが散った。前半11分、相手最終ラインからのロングパスで崩され、左クロスを押し込まれた。一瞬の隙を突かれ、わずか2本のパスで先制点を献上。同36分にもカウンターから失点。後半に1点を返したが、試合終了のホイッスルが鳴った。吉武監督は「できれば一試合でも多く試合がしたかった。堅い守りを崩せなかった。前半の早い時間で失点してしまった」と悔しさをにじませた。

 誰が出ても戦力が落ちないのが日本の強み。この試合もチュニジア戦から先発6人を変更した。登録21人の平均身長はスウェーデン1メートル83に対し、日本は1メートル71。吉武監督が「胸を借りるつもりでプレーしたい」と話していた通り、組織力で相手の高さに対抗した。後半はほとんどの時間を敵陣でプレー。11分には右サイドから放った小川のシュートからオウンゴールで1点差に詰めた。ボール保持率75%が示すようにその後もパスをつないで、好機をうかがった。しかし、縦へのボールがなかなか入らない。あと1点が遠かった。

 前回メキシコ大会に続いて指揮を執った吉武監督が掲げた目標は「ファイナリスト」。世界に通用する技術に加え、メンタル強化も図った。大会前のヨルダンキャンプから、夜のミーティングでは有名アスリートのドキュメンタリーを観賞。93年に同じ舞台を戦った中田英寿氏や陸上100メートル世界記録保持者のウサイン・ボルト、JRA通算3500勝を達成した武豊ら、トップアスリートが持つ精神力を注入した。選手は最後まで勝利を信じたが、過去最高に並ぶ8強には届かなかった。

 それでも、今大会、高い組織力は確かに輝きを放った。チームには20年東京五輪世代も含まれる。将来への成長を重視してきた指揮官は「これで終わりじゃない。大事なのは10年後だ」と今後の成長に期待を寄せる。くしくも28日はドーハ(カタール)の悲劇から、ちょうど20年。その隣国UAEで未来の有望株たちは、さらなる飛躍へのきっかけを得た。

 ▼11年U―17W杯VTR 11年大会の吉武ジャパン 南野(現C大阪)、石毛(現清水)、岩波(現J2神戸)、植田(現鹿島)、高木(現J2東京V)らを擁して93年日本大会以来5大会ぶりの8強入りを果たした。ジャマイカ、フランス、アルゼンチンと強豪ぞろいの1次リーグを2勝1分けの無敗で突破。決勝トーナメント1回戦ではニュージーランドを6―0と圧倒した。準々決勝ではブラジルと激突。後半15分までに3点リードを許したが、終盤に驚異的な粘りを見せた。後半32分に途中出場の中島がゴールを決めると後半44分にはセットプレーから早川がゴール。2―3で敗れたものの互角の試合を演じた。

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2013年10月29日のニュース