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9位転落で…柏・ネルシーニョ監督突然の辞意

[ 2013年9月1日 06:00 ]

<鹿島・柏>辞意を表明した柏・ネルシーニョ監督

J1第24節 鹿島3―1柏

(8月31日 カシマ)
 各地でJ1第24節9試合が行われ、柏のネルシーニョ監督(63)がアウェーの鹿島戦で1―3の敗戦後に辞意を表明した。10戦ぶりの黒星で9位に転落し、勝負どころで勝ち切れない現状への不満を理由に挙げたが、ACL準々決勝第2戦を18日に控える中、突然の決断にイレブンや関係者も戸惑いを隠せず、柏が激震に見舞われた。

 上位浮上を懸けた鹿島との試合に敗れ、連続不敗が9試合でストップ。開始3分で失点するなどふがいない敗戦直後から異変は始まった。ネルシーニョ監督が選手を集めてミーティングに突入。通常はアウェーチームの監督から行われる会見が柏側の要請で順番が逆転する間、指揮官は自らの決断をイレブンに伝えた。

 その後に臨んだ会見でこの日の敗戦に触れ「失敗に次ぐ失敗が敗因。リーグ戦も終盤で(順位争いの)ライバルとの対戦で3歩後退。これは受け入れられない。私にはレイソルで最後の試合になる」と辞意を表明した。報道陣との質疑応答では「選手に“ここを去る”ということを伝えたかった」とフロント抜きのミーティングに言及。語気を強めながら「チームを首位に走らせる、3位以内に常にいさせるのが私の使命。9位、10位にいるわけには」と訴えた。

 クラブ関係者も“寝耳に水”であることを認めた突然の辞意。来季続投を前提にクラブ側と補強などに関して話し合っていたという情報もある中で、大谷主将も「いつから考えていたのか分からない。びっくりした」と漏らした。一方でチーム内に不協和音があったと指摘する声もあり、指揮官も「勝てばというところで取りこぼしてきた。何か妨げになっている理由があると思っていた。きょう決めたことではない。冷静な判断」とチーム状況に不満があったことも明らかにした。

 4日に天皇杯2回戦、7日に横浜とのナビスコ杯準決勝第1戦を控え、このまま指揮官が去れば当面、井原コーチか布部コーチを暫定監督として戦うことになるとみられるが、チームへの影響は避けられない。11年にJ1初優勝、12年天皇杯制覇と柏を強豪に育てた名将が、自らチームを混乱に陥れる事態となった。

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2013年9月1日のニュース