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最終兵器柿谷!!じっくり育てて欧州組と融合へ

[ 2013年8月9日 06:00 ]

C大阪の練習でFK対決を制し、扇原におんぶしてもらう山口蛍(右から2人目)と、大笑いする柿谷(右端)

 日本協会は8日、親善試合ウルグアイ戦(14日、宮城)に臨む日本代表23選手を発表した。7月の東アジア杯で2戦3発とブレークしたFW柿谷曜一朗(23=C大阪)も選出され、欧州組との初共演が実現する。アルベルト・ザッケローニ監督(60)は柿谷を“最終兵器”として慎重にチームに融合させていく方針。またFW前田遼一(31=磐田)ら常連組の招集を見送り、チームの改造に本格着手した。

 落選の可能性も視野に入れていただけに、喜びもひとしおだった。代表発表の約2時間前、所属するC大阪での練習を終えた柿谷は「いつも通りのメンバーでしょ」と予想。東アジア杯で招集を見送られた欧州組の中に割って入るのは簡単ではないと考えていただけに、吉報を受けると「もう一度、日本代表に呼んでいただいて本当にうれしく思います」と歓喜のコメントを発表した。

 国際Aマッチデビューとなった7月の東アジア杯で2試合3得点の活躍で優勝に貢献。卓越したボールコントロールと決定力を兼ね備える新星に、ザッケローニ監督は異例の“ゆとり教育”を施す方針を打ち出した。「若くて才能ある選手なので、可能性をつぶしたくない。ここであまりプレッシャーを掛けたくない。遅すぎるぐらい準備して入れたい」。能力を高く評価するからこそ急いで結果を求めることはしない。今後も継続的に招集して、連係面や戦術理解を十分に深めながら徐々に欧州組と融合させるプラン。「完成形になれば、1列目でも2列目でも攻撃のパートはどこでもできる」とW杯本大会の切り札的存在として期待を寄せた。

 もちろん柿谷は指揮官の配慮に甘えるつもりはない。「残っていくためには、ここからが本当に大変。しっかり結果を残さないといけない。相手も強豪チームですし、そういう相手としっかり戦って、勝利に貢献したい。香川、清武はC大阪で一緒にやったメンバー。またできるのは楽しみ」とイメージを描いた。

 事前合宿で素早くチームになじみ高いパフォーマンスを発揮すれば、ウルグアイ戦で起用される可能性は十分。史上初の国際Aマッチデビューから出場3戦連続得点への期待も膨らむ。W杯本大会開幕まで約10カ月。欧州組との初共演が柿谷の“最終兵器”構想の第一歩となる。

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2013年8月9日のニュース