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「ハマのメッシ」斎藤、仕掛けた!!個性アピール弾

[ 2013年7月26日 06:00 ]

<日本・オーストラリア>前半26分 先制ゴールを決める斎藤

東アジア杯 日本3―2オーストラリア

(7月25日 華城)
 初戦から先発全員を入れ替えた日本代表は25日、オーストラリアを3―2で下し今大会初勝利を飾った。前半26分、国際Aマッチ初先発となった「和製メッシ」FW斎藤学(23=横浜)が得意のドリブルから鮮やかなシュートを決め先制。FW大迫勇也(23=鹿島)も国際Aマッチ初得点を含む2ゴールを決めた。守備陣は苦戦したが、攻撃陣は来年のW杯ブラジル大会に向け強烈なアピールをした。日本は28日に最終戦の韓国戦に挑む。

 スタジアム全体をもやが覆う、どんよりとした空気を圧巻のテクニックで切り裂いた。前半26分、斎藤が何度もキックフェイントを繰り返しながらペナルティーエリアの縁を左から右へと横切っていく。最後はシュートコースを消そうとした3人目のDFが体重を左に移動した瞬間、逆を突いた。美しい放物線はゴール左に消えた。

 「ドリブルで圧倒しようと思った。(DFの)間を突こうとしたら付いてこなかった。前を向けて良かったです。いいコースに行きましたね」。ベンチのザッケローニ監督も「とても美しいゴールだ」と思わず見とれた一撃。1メートル69の小柄なドリブラーは胸を張った。

 「和製メッシ」の礎は川崎市の実家近くのJR南武線の線路脇の広場で築き上げた。小学生のとき放課後は3歳年上の兄と連日、1対1の練習を繰り返した。日が落ちても家に戻らない兄弟を見かねた父・薫さんが迎えに来たこともある。小3で横浜下部組織(12歳以下)のテストを受け、100人中合格者8人という狭き門をくぐった。

 どん底を乗り越えた先に光を見つけた。今季は開幕前から左膝、左かかと、左でん部とケガを繰り返した。全てが左足。左右の筋肉量のバランスの悪さが原因だった。トレーナーに特別メニューを組んでもらい、バランスの改善に力を注いだ。気がつけば、さらにパワーアップしていた。

 後半11分には後方の大迫の動きを察知。豊田のパスを股間に通し絶妙なスルーで2点目を“アシスト”した。状況判断力も身につけた。その成長を横浜の中村俊輔も認める。「馬力もある。外国人も途中から出てきたら嫌でしょう」。コンフェデ杯メンバーとの比較でも遜色ないと評価する。

 W杯出場への期待も一気に膨らむ。斎藤は「生き残りたいけど、高い壁がある。もっとやらないと」と謙虚だが、小気味よいドリブルを得意とするアタッカーは希少だ。試合後、指揮官は「ゴール以外にも興味深いプレーがあった」と言った。国際Aマッチ初先発で「個性」をアピール。オランダの名門アヤックスも興味を示す和製メッシが本領を発揮した。

 W杯出場への期待も一気に膨らむ。斎藤は「ゴール以外チャンスらしいチャンスはなかった。生き残りたいけど、高い壁がある。もっとやらないと」と謙虚だが、小気味よいドリブルを得意とするアタッカーは希少だ。試合後、指揮官は「ゴール以外にも興味深いプレーがあった」と言った。国際Aマッチ初先発で「個性」をアピール。オランダの名門アヤックスも興味を示す和製メッシが本領を発揮した。

 ◆斎藤 学(さいとう・まなぶ)1990年(平2)4月4日、神奈川県出身の23歳。横浜の下部組織から08年に2種登録でトップチーム入りし、09年にプロ契約。11年にJ2愛媛に期限付き移籍して12年から横浜に復帰した。国際経験も豊富で、07年U―17W杯、12年ロンドン五輪に出場。J1通算66試合9得点を記録。愛称は「ハマのメッシ」。1メートル69、64キロ。血液型A。

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2013年7月26日のニュース