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柿谷デビュー弾!!23歳A代表初シュートで決めた

[ 2013年7月22日 06:00 ]

<日本・中国>後半14分、A代表初ゴールを決める柿谷

東アジア杯 日本3―3中国

(7月21日 ソウルW杯)
 1トップで先発したFW柿谷曜一朗(23=C大阪)は1―1の後半14分、左クロスを頭で押し込み、代表デビュー戦で初ゴールを決めた。2分後にはMF工藤壮人(23=柏)のゴールをアシストするなど1得点1アシストの活躍。試合は格下の中国相手に3―3で引き分けたが、14年W杯ブラジル大会でのメンバー入りに向け、アルベルト・ザッケローニ監督(60)に猛アピールした。

 胸のエンブレムを、誇らしげに4度叩いた。沈黙を続けていた柿谷が、最初のチャンスをものにした。1―1の後半14分、左サイドを突破した槙野のクロスに反応。ニアサイドに飛び込み、体をひねり頭を振った。試合前に槙野に速いボールを要求しており、狙い通りの一撃。A代表としての初シュートを得点につなげ「(相手に)大きい選手が多いので普通に上げても勝てないと思っていた。要求通りのボールが来た」と振り返った。

 国際Aマッチデビュー戦でのゴールは10年1月イエメン戦の平山以来、史上26人目。後半16分にはドリブルで中央に切れ込み、右サイドの工藤にパスを通してアシストも記録した。W杯メンバー入りへの第1関門となる若手主体のサバイバルマッチで勝負強さを発揮したが、試合は2点差を追いつかれて引き分け。「1トップの仕事はゴールだけじゃない。攻撃を活性化できなかったし、反省が残る。優勝するためには勝ちが必要だった」と満足はしていない。

 07年U―17W杯で背番号10を背負った逸材。長い回り道の末のA代表デビューだった。度重なる練習への遅刻により、J2徳島への移籍を告げられたのは09年6月。一時はどん底に陥ったが、徳島での出会いが若き才能をよみがえらせた。自らを誘ってくれた中田強化部長、甘えを許さなかった美濃部監督(現長野パルセイロ監督)、そして自主トレの重要性を気づかせてくれたMF倉貫一毅(現京都)…。今も暇があれば大阪市内から車を約2時間走らせ、徳島の試合に駆けつける。第二の故郷に雄姿を届けるためにも、結果にこだわっていた。

 所属するC大阪で初めて1トップに入ったのは、6月30日のナビスコ杯浦和戦。16歳でプロ契約してから中盤を主戦場としてきただけに戸惑いもあった。それでも前田(磐田)らを参考にし、1カ月足らずで徐々に自らのスタイルを確立。3―1の後半19分にはドリブルが大きくなりGKと1対1の決定機を逃しザッケローニ監督から「柿谷が4点目を決められなかったのが残念」とダメ出しされたが、それも期待の裏返しだ。生き残りへ向け、確かなインパクトを残したA代表デビュー戦。遅れてきた天才が、ザックジャパンの最後のピースに名乗りを上げた。

 ◆柿谷 曜一朗(かきたに・よういちろう)1990年(平2)1月3日、大阪市生まれの23歳。4歳からC大阪の下部組織でサッカーを始める。C大阪U―18在籍中の06年にクラブ史上最年少となる16歳でプロ契約。U―15から各年代の日本代表に選ばれ、07年U―17W杯で注目を浴びる。09年のシーズン途中にJ2徳島へ期限付き移籍し、12年からC大阪に復帰。J1今季17試合10点。1メートル77、68キロ。利き足は右。

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