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カズ 開始16秒弾!Jリーグ最年長得点記録を更新

[ 2013年7月4日 06:00 ]

<横浜FC・栃木>ヒーローインタビューで横浜FC・三浦がファンに手をあげる

 キングカズが決めた!J2横浜FCは3日、栃木と対戦し3―1で今季初の3連勝を飾った。7戦ぶりに先発したFW三浦知良(46)は試合開始わずか16秒に、左足で豪快な今季初ゴールを決めた。リーグ戦では昨年5月27日の鳥取戦以来の得点で、自身の持つJリーグ最年長得点記録を46歳4カ月7日に更新。後半16分に途中交代するまで圧倒的な存在感で健在ぶりをみせた。

【試合結果 順位表】

 開始からわずか16秒、夕闇の横浜に閃光(せんこう)が走った。カズがゴール前に進入。大久保の左クロスに対し、絶妙な右足トラップで相手DFをかわす。次の瞬間、左足で迷わず振り抜いた。今季の出場196分目の初シュートは、相手GKの頭上を抜けてゴールに突き刺さった。

 カズは笑う。「ネイマールだね。左足は完全にネイマール。何度もコンフェデ杯を見てイメージをつくってたからね」。6月のコンフェデ杯。未明の放送が大半だったが、日本代表、第二の故郷・ブラジル代表の試合に合わせ、就寝時間を調整した。「ちゃんと国歌から見たよ」と開始5分前には起床し共に戦った。中でもネイマールの得点シーンは徹底的に頭にたたきこんだ。

 今季はキャンプから無休だった。年齢が半分以下の選手に交じり先頭を走る。歴戦が刻まれた右足首をエックス線撮影すると骨は傷だらけだ。5年前には医師に「余命50試合」とも言われた。午後6時以降は食べ物を口にせず、オフの家族旅行にも専属トレーナーを帯同。ストイック過ぎる肉体管理で現役を続ける。“余命宣告”から出場試合は既に100試合を超えた。

 今夏、出場機会が激減していたカズに対して東京Vが獲得の動きを見せている。カズも「46歳でそういう話があるのはありがたい」と話す。一つのチャンスを見逃さずに決め切る力、ゴール前での体の切れ。今もカズがカズであることを証明してみせた。ここまで出場はわずかに6戦。前向きな男が珍しく「これじゃ給料泥棒だよね」と自虐的に話していたが、そのうっ憤も晴らした。

 カズダンスは踊らなかった。その代わりに2度、右手を突き上げ、大きくジャンプした。「開始1分だからね、ダンスは頭になかったよ」。それでもコンフェデ杯で3連敗を喫し、沈みかけた日本サッカー界のムードを明るくするには十分すぎる一発だった。「サッカーを続けている限り(W杯出場の)可能性はゼロではない」が口癖。サッカー界の象徴とも言える男が、日本にまた勇気と希望をもたらした。

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2013年7月4日のニュース