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オシム氏の提言 必要な遠藤のバックアッパー…大胆な若手抜てきを

[ 2013年6月21日 09:21 ]

<イタリア・日本>前半、FKのコースを見極める本田(左)と遠藤

コンフェデ杯1次リーグA組 日本3―4イタリア

(6月19日 レシフェ)
 元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(72)は、欧州選手権準Vのイタリアに3―4で惜敗した日本の戦いぶりを高く評価した。選手の個々については遠藤が大きな役割を果たしたとする一方で、本田についてはもっと周囲を生かすべきと指摘した。

 日本の試合運びでは遠藤が大きな役割を果たし、安定感を与えていた。逆に遠藤が出場停止、あるいは負傷した場合にどうするか、遠藤のバックアッパーを真剣に考えた方がいい。本来は長谷部にその役割を果たしてほしいところだが、今度は今の長谷部の後継者が必要になる。遠藤のような技術と戦術眼を持ち、しかももっと運動量とスピードのある若手を大胆に抜てきしてはどうか。そして、本大会に向けて、戦術的なオプションの幅を広げること、中盤の選手の負傷に備えバックアップを訓練すること、ブラジル大会以降のことも考慮し、未来志向のチームづくりをしてほしい。

 本田のプレーは悪くはなかったが、自分の実力を示そうと無理をしたり、次の瞬間には集中力を欠いた場面があった。力み過ぎだ。それが重なるとチームのブレーキになる。もっと周囲を生かすことで自分も生きる道を進むべきだ。クレバーな選手だから理解してくれると信じている。

 イタリアは日本より格上。イタリア優勢と予想する者が多かった。私はブラジル戦で腰の引けた戦いをして完敗した日本がどのように立ち直るか注目していた。とりわけ、大敗した試合の後で選手たちに自信を取り戻させられるかは、監督をはじめとするスタッフの手腕の見せどころだからだ。

 W杯など大きな大会では決勝まで進出すれば短期間に6、7試合する。すべて良い内容で戦うことはできない。限られた時間で立て直す。そうした角度から見れば、イタリア戦はかなり成功していた。ブラジルに大敗した直後にこういう試合ができたことで、若い選手はかけがえのない経験を積んだことだろう。

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2013年6月21日のニュース