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王国新10番ネイマール「本田、香川」名指しで警戒

[ 2013年6月15日 06:00 ]

鋭いまなざしで会見するネイマール

コンフェデ杯1次リーグA組 ブラジル―日本

(6月15日)
 1年後に迫った14年W杯ブラジル大会のプレ大会となるコンフェデ杯が15日(日本時間16日未明)にブラジル―日本戦で開幕する。サントス(ブラジル)からバルセロナ(スペイン)への移籍が決まったブラジルの新10番、FWネイマール(21)は13日に会見し、“王国”を大会3連覇に導くことを宣言。昨年10月の親善試合以来の対戦となる日本については、MF本田圭佑(27)とMF香川真司(24)の名前を挙げて警戒した。

 ブラジルの新エースは、開幕戦への警戒感を隠さなかった。ブラジルカラーの緑の野球帽を前後逆にかぶったネイマールは、約40分に及んだ会見の中で日本について問われると「いいチーム。どんどん進化している」と評価。さらに本田と香川の名前を挙げ「日本の2大キープレーヤー。彼ら2人は試合を決める仕事ができる」と警戒した。

 自国開催での目標は言うまでもない。「コンフェデ杯も来年のW杯も優勝したい。僕たちにはその責任があることを、このチームの誰もが分かっている」。しかも日本戦は、いつも以上にゴールにこだわる理由があった。ネイマールは所属していたサントスとブラジル代表で合わせて9試合連続、通算842分にわたって無得点。日本戦で開始7分までに得点しなければ、11年の自己ワースト記録(895分)を更新する。ブラジル代表のフェリペ監督は「ネイマールは私が指示したチームの役割を果たしている」と評価するものの、若きエースは「そりゃ毎日でも得点したいけど、辛抱だね。ゴールできるように懸命にプレーするしかない」と意気込んだ。

 今大会の背番号は10。ペレ、ジーコらが付けたエース背番を自ら希望したのは、セレソンの大黒柱となる覚悟といえる。「象徴的な番号。ブラジルの10番は、ロナウジーニョ、リバウド、カカー、ロビーニョら、いつも偉大な選手が背負ってきた。僕にとって夢だったんだ」。さらに、今オフにバルセロナへクラブ史上最高となる移籍金5400万ユーロ(約69億円)で加入が決まったことで、ブラジル国民だけでなく世界中から注目される重圧とも戦うことになる。

 1次リーグを勝ち上がれば、準決勝以降でバルセロナの主力を数多く擁するスペインと対戦する可能性もある。「偉大なチームで優勝候補。スペインを倒して優勝するのは大きな夢だ」。開幕戦で日本を倒して勢いに乗り、決勝でW杯王者を倒す最高のシナリオの実現を目指す。

 ◆ネイマール(ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール)1992年2月5日、ブラジル・サンパウロ州出身の21歳。6歳から本格的にフットサルを始め、12歳でサントスの下部組織入り。09年に17歳でトップチームデビュー。今月4日にバルセロナと5年契約。推定年俸は800万ユーロ(約10億5000万円)。ブラジル代表は10年8月の米国戦でデビュー。昨年10月の日本戦で2得点を挙げるなど、国際Aマッチ通算34試合20得点。未婚だが、11年8月に一般女性との間に男児が誕生。1メートル74、65キロ。利き足は右。

 ▽コンフェデレーションズ杯 各大陸連盟の王者などが出場する国際大会。今回が第9回大会。92年にサウジアラビアでインターコンチネンタル杯として初開催。97年からFIFAの公式大会となり現名称に変更された。現在はW杯の前年に開催国で実施する方式が定着。最多優勝国はブラジルで97年、05年、09年の3度。日本は前身大会を含めて過去4度出場し、01年日韓大会は準優勝。

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