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ザックジャパン ブルガリアに完敗、怒りの長友「世界で戦えない」

[ 2013年5月31日 06:00 ]

<日本・ブルガリア>ザッケローニ監督(右)の指示を聞く長友

キリン・チャレンジカップ2013 日本0―2ブルガリア

(5月30日 豊田ス)
 長友が怒った!日本代表は30日、W杯アジア最終予選オーストラリア戦(6月4日)に向けた親善試合でブルガリアと対戦し、MF長谷部誠(29)のオウンゴールなどで0―2と完敗した。ザックジャパン33試合目にして初の連敗で、左膝半月板損傷から復帰となったDF長友佑都(26=インテル・ミラノ)はふがいない内容に危機感をあらわにした。
【試合結果 メンバー 日程と結果 W杯アジア最終予選】

 全身から、怒りのオーラを発散させていた。日頃から明るく、メディアにも丁寧に対応してきた長友のキャラクターは試合後、一変していた。FIFAランク52位のブルガリアに0―2と完敗。「3―4―3とか関係なく、試合を通して僕が感じたことは、これでは世界で戦えない。収穫は正直、ないですね」。自らも含め、ふがいない内容を吐き捨てた。

 W杯最終予選オーストラリア戦を仮想した大事な一戦。だが、始まってみれば3戦連続でセットプレーからの失点を喫し得点は0。3月26日のW杯最終予選ヨルダン戦に続きザックジャパンでは初の連敗も喫した。何もかもインテル・ミラノという世界的名門で戦う男にとっては目を覆うばかりの惨状。「僕自身は危機感でいっぱい」。頭の中は真っ白だった。

 左膝半月板損傷で離脱。2月6日のラトビア戦以来の復帰戦は0―1の後半から投入された。だがピッチに入った瞬間、違和感を覚えた。逆転を目指し、高いポジションを取るつもりが、後方で横パスする場面が目立った。DFの今野には何度も「もっとボールを運んで!」と訴えた。自身はブランクを感じさせない運動量を見せ、25分には闘志あふれる守備でイエローカードをもらう場面もあった。ロスタイムには相手のペナルティーエリアに進入し、ゴールを割ったかに見えたプレーはオフサイド。チームはパスミス、連係ミスも目立ち、本来の姿とは程遠い内容にいら立ちは明らかだった。

 本田、香川、そして長友。日本が世界に誇るビッグ3は日頃から「W杯で優勝する」と公言してきた。決戦前日には、ピッチ上でザッケローニ監督と話し合う姿も見られた。「将来的なビジョン、W杯で勝つため、世界で戦うにはどうすべきか話し合った」。本田不在のピッチでは精神的支柱も担う覚悟だった。今までなら本田が怒る役を務めてきたが、不在の今回は代わって苦言を呈した。

 3月は左膝負傷でボールを蹴ることすらできなかった。ヨルダン戦はイタリアでインターネットを使ってリアルタイムで映像を見た。「勝ちたい気持ちで負けていた。リスクマネジメントの部分で甘くみていた。1対1で押されたことが勝敗を分けた」と分析。だがそれは何ひとつ変わっていなかった。自身がピッチに立っても、変えることはできなかった。

 次戦は6月4日、W杯切符をかけたオーストラリア戦。最後に長友は「悔しくて、今は冷静に(ブルガリア戦を)振り返ることができない。次は勝つだけです」。怒りをグッとのみ込み、吐きだした。絶対に同じ轍(てつ)は踏めない。

 ▼日本のW杯出場決定条件 6月4日はホーム(埼玉、午後7時30分開始)でのオーストラリア戦。○か△ならば無条件でW杯本大会出場が決定。●の場合でも同日の日本時間午後10時開始のオマーン―イラク戦でイラクが△か●ならば日本の出場が決まる。日本●、イラク○の場合は日本の予選最終戦(6月11日・イラク戦)まで出場決定は持ち越しとなる。

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