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ベッカム“涙の別れ”本拠最終戦で有終アシスト

[ 2013年5月20日 06:00 ]

ブレスト戦終了後に胴上げされるパリSGのベッカム

 今季限りでの引退を表明したパリSGの元イングランド代表MFデビッド・ベッカム(38)が、現役最後の試合で惜別のアシストをマークした。18日、ホーム最終戦のブレスト戦にキャプテンマークを巻いて先発し、後半36分までプレー。1―0の前半31分に左CKを蹴って追加点を演出するなど3―1の勝利に貢献した。最終節の敵地ロリアン戦(26日)には出場しない予定。ビクトリア夫人(39)と4人の子供が見守る前で有終の美を飾り、涙とともに華麗なるサッカー人生に別れを告げた。

 サッカー界の貴公子が、涙とともにピッチを去った。後半36分の交代は、スターに用意された粋な“花道”。約4万5000人の大観衆から総立ちの拍手を浴びると、ベッカムは顔をくしゃくしゃにして泣いた。同僚、スタッフ全員と抱擁し、スタンドへは別れの投げキス。試合後に同僚から4度胴上げされると、笑顔で目を潤ませた。

 「正直言って、試合前から感情的になっていた。集中しようとしたけど難しかったよ。パリの全ての人々に感謝したい。素晴らしいファン、選手とともに現役を終えられたのは特別だ」

 92年から22年にわたるプロ生活を支えた“黄金の右足”は健在だった。前半31分に現役最後のアシストをマーク。左CKをニアのMFマテュイディに合わせてゴールを演出した。クラブから1年の契約延長オファーを受けながら「最高のレベルでプレーしている今こそ、キャリアを終えるのに正しい時」という言葉を証明してみせた。ベッカムといえば正確な右足キックが代名詞。マンチェスターU時代の99年欧州CL決勝バイエルンM戦で、ともにCKからロスタイムの2得点を呼んで奇跡の大逆転を演出。イングランド代表では02年W杯欧州予選ギリシャ戦で本大会出場を決定づける直接FKを決めるなど、数々の伝説を残した。

 26日の敵地ロリアン戦ではなく、ホーム最終戦を引退試合に選んだ。家族、友人ら25人を英国から招待。この日限りの特注スパイクには日付、4人の子供の名前、これまで着た背番号を刻んだ。最後はピッチに下りてきた3人の息子と笑顔で記念撮影。「22年間プレーした後は、数カ月家族との時間を楽しみたいね」。プレーだけでなく、ヘアスタイル、ファッション、セレブな私生活などピッチ外でも注目を集め続けたスーパースターが、優しいパパに戻った。

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