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鹿島3発!!“ジーコ魂”で名古屋を逆転粉砕

[ 2013年5月19日 06:00 ]

<鹿島・名古屋>後半ロスタイム、ゴールをきめる鹿島・大迫(右)

J1第12節 鹿島3―1名古屋

(5月18日 カシマ)
 21年目のJも熱いぞ!各地でJ1第12節9試合が行われ、93年5月16日のJ開幕カードと同じだった鹿島―名古屋は、3―1で鹿島が勝利。観戦したジーコ氏(60)の前で「ジーコ魂」を披露した。

 緊迫感に包まれた試合直前のロッカールームに、ジーコ氏の声が響いた。「クラブには20年間、頑張ってつないできた伝統がある。これからは君たちがこの伝統を守らないといけない。チームは20年前の試合に勝って勢いに乗った。きょうも絶対に負けるな」。気持ちのこもった訓示は約2分に及んだ。最後は円陣を組み、小笠原主将が「ジーコの前で絶対に負けられないぞ!」と気合を注入。鈴木満常務取締役強化部長が「高校サッカー以上に熱い雰囲気だった」と振り返るほどの熱血ムードだった。

 93年5月16日、鹿島のJ開幕戦だった名古屋戦から20年。くしくも同会場で同じ相手との対戦だった。前半24分に先制を許したが、前半40分に遠藤が左足で同点弾。後半21分に中村の移籍後初得点で勝ち越すと、ロスタイムには大迫の今季4点目でダメを押した。ジーコ氏のハットトリックなどで5―0で勝った20年前をほうふつさせる快勝劇。岩政は「誰もハットトリックできなかったね」と笑った。

 国内最多16冠を誇るが、17日にJリーグが発表した歴代ベストイレブンに鹿島の選手は一人も選ばれなかった。スターはいないが、組織で白星を重ねてきたクラブを象徴する選考結果。この日も出場停止のダヴィの穴を全員で埋めた。「献身・誠実・尊重」。クラブの礎を築いたジーコ・スピリッツは現在もクラブハウスに飾られている。主力を温存するチームが多いナビスコ杯で大幅にメンバーを入れ替えることがめったにないのも、勝負に徹する神様の教えだ。

 VIP席から勝利を見届けたジーコ氏は、サポーターと笑顔でハイタッチを交わした。「鹿島はどの試合にも勝つために挑まなければならない。自分が来て勝ち、幸運を運ぶ存在になれて良かった」。ピッチでは34歳の小笠原が誰よりも豊富な運動量を見せて背中でチームを引っ張り、柴崎、大迫ら若手も呼応した。Jが新たなステージへと踏み出しても、常勝の歴史は脈々と引き継がれている。

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2013年5月19日のニュース