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下級生に熱湯責め…山梨学院大付サッカー部で集団暴行

[ 2013年5月9日 06:00 ]

部員の暴行が発覚した山梨学院大付属高校のサッカー部寮

 2009年度の全国高校サッカー選手権大会で優勝した強豪、山梨学院大付属高校(甲府市)サッカー部内で部員同士の暴力事件があり、2年生の男子部員1人が全治10日のケガを負っていたことが8日、同校への取材で分かった。

 同校によると、4月21日夜、甲府市内のサッカー部寮内の風呂場で、3年生の男子部員7人が2年生を殴ったほか、シャワーで約50度の湯をかけるなどした。2年生は左肩に打撲などのケガを負った。7人は4月27日から自宅謹慎中。同校の聞き取りに対し「ふざけているつもりだった」と話している。

 2年生は22日に病院で診察を受けた後、相談を受けた保護者が学校側に連絡した。同校広報によると「普段から暴行の対象にされていたということはなく、たまたま居合わせた結果」だという。2年生は「今すぐ寮に戻ることには不安がある」と監督らに訴え、自宅で待機している。

 暴行した7人の中には一部、主力選手もいたという。現在サッカー部は山梨県高校総体に臨んでいるが、「7人はいずれもメンバー外で、県高体連から辞退の必要はないとの見解をいただいた」と同校広報は説明。部は8日、山梨県中巨摩郡で行われた甲府東高との準決勝に予定通り出場。1―0で勝利した。

 同校サッカー部は部員110人を抱え、うち78人が寮で暮らしている。同校広報は「もともとサッカー部は、シャワーのときにふざけ合うことがストレスのはけ口になっていた部分があると聞いている」と説明。「休養日や食事時間もしっかり確保しており、必ずしもサッカー漬けの暮らしというわけではなかったはずだが、もうちょっとガス抜きの要素が部内にあれば起こらなかったかもしれない」と話した。同校の望月教邦副校長は「あってはならないこと。監督や顧問に指導を徹底させたい」と釈明した。

 ▽学校法人山梨学院 山梨学院大のほか、付属の幼稚園と小、中、高校を運営。付属高はサッカー部のほか野球部も強豪で春1回、夏5回甲子園に出場。巨人・松本哲也外野手らプロ野球選手も輩出している。山梨学院大は外国人留学生を擁し、箱根駅伝で3度総合優勝を果たしている。ロンドン五輪女子競泳で銀メダル1個、銅2個を獲得した鈴木聡美が今年3月まで在籍した。

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2013年5月9日のニュース