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香川マンU“世界の名将”ファーガソン監督が今季限りで勇退

[ 2013年5月9日 06:00 ]

2012年7月、マンチェスター・ユナイテッドの入団記者会見で笑顔を見せる香川真司(左)とアレックス・ファーガソン監督

 日本代表MF香川真司(24)が所属するマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督(71)が8日、クラブの公式サイトで今季限りでの退任を表明した。86年に就任し、27季でリーグ13回、欧州CL2回など数々のタイトルを獲得。19日ウェストブロミッジ戦が最後の指揮となり、今後は取締役としてクラブに残り強化担当のディレクターなどを務める予定。後任候補にはエバートンのデビッド・モイーズ監督(50)、Rマドリードのジョゼ・モウリーニョ監督(50)らが挙がっている。

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 名将が大きな決断を下した。7日に英メディアで退任が報じられたファーガソン監督が、クラブの公式サイトで、今季限りでピッチを去ることを正式に表明した。「正しい潮時だと思う。強い時に去るのが大事だった。リーグ優勝した今季のチームの質、年齢的なバランスは長期的な成功につながる」と新たな黄金期の礎を築けたことを決断の理由に挙げた。

 86年に低迷していたマンチェスターUの監督に就任。ベッカム(現パリSG)、ギグスら若手を育成し規律の徹底などで名門を復活に導いた。また、他クラブから獲得し超一流に育て上げた選手にはルーニーやRマドリードのC・ロナウドらがいる。昨季は無冠から巻き返すため、オフに自ら香川を口説いて獲得し主力として起用。リーグ最多記録を更新する20回目のプレミアリーグ制覇で、自身38個目の主要タイトルを獲得した。

 今後については「クラブのディレクター、アンバサダー(親善大使)を喜んで引き受ける」と強化担当などでチームづくりに携わる予定。後任は発表されていないが、地元メディアで有力候補に挙がっているのはエバートンのモイーズ監督だ。ファーガソン監督と同じスコットランド出身でプレミアリーグでファーガソン監督、アーセナルのベンゲル監督に続く長期政権(11季)を誇り、その手腕も評価されている。タイムズ紙(電子版)は「24時間以内に新たなボスとしてモイーズ監督が発表されるだろう」と伝えた。香川がプレミアデビューを飾った今季開幕戦の相手がエバートンで、試合後にはモイーズ監督から「マンUは素晴らしい選手と契約した」と高く評価されていた。

 一方、モウリーニョ監督も候補に挙がっているが、同じプレミアリーグのチェルシーへの転身が有力視されている。いずれにせよ、来季の香川は新指揮官の下で飛躍を目指すことになる。

 ▽アレックス・ファーガソン 1941年12月31日、スコットランド生まれの71歳。現役時代はレンジャーズなどでFWとしてプレーし74年に現役引退。同年スコットランドのイースト・スターリングシャーで指導者デビューし、セントミレン、アバディーンを経て86年W杯メキシコ大会でスコットランド代表を指揮。同年マンチェスターU監督に就任。99年にナイトの爵位を受けた。激情家で知られ、至近距離で怒鳴り声を浴びせることから付いたあだ名は「ヘアドライヤー」。

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