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浦和執念V弾も予選敗退 日本勢、過去最低の成績に

[ 2013年5月2日 06:00 ]

<ムアントン・浦和>サポーターにあいさつする浦和イレブン

ACL・1次リーグF組 ムアントン0―1浦和

(5月1日 サンダードーム)
 1日、各地でACL1次リーグ最終戦が行われ、F組の浦和は敵地でムアントン(タイ)と対戦し1―0で勝利。勝ち点を10としたが、3位で1次リーグ敗退が決まった。E組の仙台もホームで江蘇舜天(中国)に1―2で敗戦し、同組最下位。日本勢はH組の柏が1位で突破したが、4チームが参加するようになった07年以降では最低の成績となった。

 笑顔なき最終戦の勝利だった。後半2分、マルシオ・リシャルデスのクロスを那須が体を投げ出しながらボレー弾を決める。それが決勝点となったが、ライバルの2位全北も引き分けて浦和と勝ち点10で並んだ。両チーム間の対戦成績を優先させる規定のため、全北に1敗1分けだった浦和の3位が確定。「内容は良いサッカーができた」とペトロヴィッチ監督はイレブンを称えたが、途中出場した槙野はツイッターで「勝ったのにこんなに悔しい事はない」とつぶやいた。

 勝利が最低条件の中、執念は見せた。気温35度、湿度70%。酷暑に加えて鈴木が累積警告で出場停止、梅崎と原口は負傷で同行しなかった。槙野も左膝痛でベンチスタートだった。だが「気持ちは入っていた」と那須。07年以来のアジア王者へ向けて誰一人諦めなかった。

 わずかの差が明暗を分けた。4月3日の全北戦。前半45分間で3点差にできるチャンスがあったが1点しか奪えず、後半に3点を許した。同9日の敵地・全北戦では試合終了間際に同点に追いつかれた。無敗で頂点まで上り詰めた07年と比べ、ここ一番の勝負強さが足りなかった。

 5年ぶりのアジアの舞台は64日間で終わった。「浦和らしいサッカーをやれば、どのチーム相手でもやれることを証明した。紙一重のところをモノにできるように頑張りたい」。那須は前向きにとらえるが、アジアの壁は年々厚みを増している。広島、浦和、仙台が敗退し、日本勢で勝ち上がったのは柏だけ。サッカー協会関係者は、かつては当たり前だった1次リーグ突破が容易ではなくなった現実を重く受け止めなくてはならない。

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