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憲剛が司令塔 虐待撲滅団体「チャイルドワン」設立

[ 2013年4月29日 06:00 ]

「チャイルドワン」を設立したことが明らかになった川崎Fの中村

 日本代表MF中村憲剛(32=川崎F)が中心となり、児童虐待やいじめ防止を目的とした一般財団法人「チャイルドワン」を設立したことが28日、明らかになった。プロサッカー選手の社会貢献活動としては元日本代表MFの中田英寿氏(36)が代表理事を務める一般財団法人「TAKE ACTION FOUNDATION」の活動が有名だが、現役選手の活動は極めて異例。未来を担う子供たちのために、日本代表が立ち上がった。

 ストップ・ザ・虐待!!いじめ!!日本代表の司令塔・中村が立ち上がった。このほど一般財団法人「チャイルドワン」を設立。“なくそうよ、虐待。やめようよ、いじめ。子どもは宝。”をスローガンに、子供たちを守る傘になろうと「ピンクアンブレラ運動」を展開していくことになった。

 中村は10、11年に川崎市の児童虐待防止キャンペーンに参加。12年には厚生労働省の広報誌とインターネットCMに出演するなど、この問題に深く関わってきた。それらの活動を通して虐待の実態を知り、日本代表のメンバーでもある自身ができることを考え、設立に至った。理事長は中村の実父である憲英氏が務め、川崎Fも活動をサポートしていく。

 全国の児童虐待相談所の対応件数は90年には約1000件だったが、20年後の10年には約5万6000件と急増した。最近も横浜市で虐待の上に殺された女児の遺体が発見されるなど、被害は後を絶たない。中村は「悲しいですよね。それに、信じられない。僕が直接(加害者に)やめろということはできないけど、広くメッセージを発することができる立場にいる。(虐待、いじめを)減らすきっかけになって1人でも救われれば」。虐待、いじめ防止は2児の父の切なる思いだ。

 今後は啓もう活動を行うとともに、川崎市内の児童養護施設を慰問することを検討している。「ゆくゆくは川崎Fだけじゃなく、他のチームも賛同してくれて、日本サッカー界全体にも広まればいいなと思います」。“日本の宝”を守るために一歩を踏み出す。

 ≪啓発グッズ販売≫5月3日の名古屋戦から、川崎Fのホームゲームでは等々力競技場の特設ブースで啓発グッズが販売される。川崎F公式グッズショップ「アズーロ・ネロ」の店頭でも販売。収益はピンクアンブレラ運動推進のために活用される。また、一般財団法人チャイルドワンのホームページも開設した。

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2013年4月29日のニュース