×

終わってたまるか逆転3発!決勝Tへ浦和残った!

[ 2013年4月25日 06:00 ]

<浦和・広州恒大>後半、浦和・阿部(左)が勝ち越しゴールを決め、槙野(中)、興梠(右)らイレブンの祝福を受ける

ACL・1次リーグF組 浦和3―2広州恒大

(4月24日 埼玉)
 ACL1次リーグ第5戦が各地で行われ、F組の浦和はホームで広州恒大(中国)に3―2と逆転勝利し、1次リーグ突破へ望みをつないだ。先制されたが、後半7分、FW興梠慎三(26)のゴールで同点、さらに同18分、前半にPKを外していたMF阿部勇樹(31)のゴールで逆転した。

 クールな男がピッチにひざまずき、両手を雨空に突き上げた。これが阿部の執念だ。1―1で迎えた後半18分。槙野とワンツーを決め、最後は鋭いクロスに体ごと飛び込み、伝家の宝刀、右足で流し込んだ。「何とか取り返そう、と。槙ちゃんがいいボールをくれた。感謝したい」。起死回生の逆転ゴールを決め、ようやく安どの笑みが浮かんだ。

 あのままでは終われなかった。前半24分、名手の阿部がまさかのPK失敗。強振したボールは左ポストに嫌われた。柏木が「PKの後、珍しく阿部ちゃんの顔がイッてた」と振り返る。悪い流れは伝染し、直後、森脇が相手MFムリキにボールを奪われ、先制弾を許した。阿部は「先に僕が決めていれば、あの1点もなかったはず」と自分を責める。逆転弾はまさに背水の一撃だった。

 ハーフタイム、F組2位を争う全北が2―0でリードとの一報が入り、引き分けも許されない状況に陥った。だが槙野は言う。「ロッカーの雰囲気で行けると思った。“やれる!”という声がたくさん聞こえた。なかなか見られる光景ではなかった」と。その言葉にうそはなかった。後半7分、興梠のACL日本人最多得点(通算11)となるゴールで追いつき、阿部、マルシオ・リシャルデスの得点で突き放した。

 敵地で0―3と完敗した広州恒大に今大会初めて土を付け、1次リーグ突破の夢をつないだ。終盤、元イタリア代表監督の敵将リッピ監督はペットボトルを蹴り上げて退席処分になった。そのいら立ちぶりが浦和の執念の大きさを物語る。次戦は5月1日、敵地ムアントン戦。「勝たないと何も期待できない」と阿部。目の前の一戦に勝ち、後は天命を待つ。6年ぶり頂点を目指す赤い悪魔の戦いは終わらない。

 ▼浦和MF阿部 僕がPKを外してしまったので、相手に先制点を決められてしまった。(得点は)何とか失敗を試合中に取り返したいという思いだった。マキ(槙野)が見ててくれたので合わせるだけだった。

 ▽浦和の1次L突破条件 逆転勝ちした浦和は最終戦(5月1日・アウェーのムアントン戦)に1次リーグ突破の可能性を残した。F組は広州恒大が浦和に敗れたが、2位以内が確定して突破が決定。現在3位の浦和は最終戦に○で勝ち点10が最低条件。その上で同日開催の広州恒大―全北戦で、広州恒大が○ならばF組2位で16強進出。同カードが全北○または△の場合(全北とは直接対決成績で劣る)は浦和は1次リーグ敗退となる。

続きを表示

この記事のフォト

2013年4月25日のニュース