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香川悔しい空砲…ヨルダンに敗れW杯はお預け

[ 2013年3月27日 06:00 ]

<ヨルダン・日本>ユニホーム交換をお願いされるも動けない香川

W杯アジア最終予選B組 日本1-2ヨルダン

(3月26日 アンマン)
サッカーの日本代表は敵地でヨルダンと対戦し、1―2で敗れた。前半ロスタイムにセットプレーから失点。後半にも追加点を許し、5大会連続の本大会出場権獲得は6月以降に持ち越しとなった。エースのMF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)不在の穴を埋めるべくMF香川真司(24=マンチェスターU)は後半24分に得点を決めたが及ばず。6月4日のオーストラリア戦(埼玉)でブラジル切符獲得を目指す。
【試合結果 B組順位表】

 まさかの敗戦に、香川は終了の笛にぼう然と腰を落とした。「悔しい。僕らがもっと点を取れば勝てた。それに尽きる」。歓喜の相手MFサイフィの求めに応じて10番のユニホームを渡したが、最後まで表情が晴れることはなかった。

 本田不在の中で司令塔を務め、攻撃陣を引っ張った。開始4分で清武との連係から右足でシュートを放つなど優位に試合を進めた。しかし、好機を生かせずにハーフタイム寸前に先制を許すと、後半15分にもカウンターから失点。それでも24分には、後方の清武が繰り出した浮き球に右足を合わせて豪快に振り切ると、ネットを揺らした。引き分けでも5大会連続のW杯出場が決まるという状況の中、12年10月12日の親善試合フランス戦以来の国際Aマッチ13点目で、2点ビハインドからの出場権獲得に望みをつないだが、遠藤のPK失敗もあって結果的にはゴールが敗戦につながる初めての空砲だ。背番号10も「チームが負けたんでそれが全て」とため息をついた。

 前回10年W杯南アフリカ大会出場を決めた09年6月6日のウズベキスタン戦は遠征に同行しながらベンチ外だった。その流れを引きずって本大会の登録メンバー23人からも落選した。南アフリカ大会にはサポートメンバーとしてチームに同行。日本の16強進出を素直に喜べず、複雑な思いを抱いた記憶は鮮明に残っている。それだけにこの日は「W杯出場が決まればこみ上げてくるものはあると思う」と4年分の思いを込めてボールを追ったが、終盤の好機も得点に結びつかず、夢舞台への思いは届かなかった。

 夢のW杯切符獲得は6月4日の次戦オーストラリア戦に持ち越しとなったが、舞台はホーム。香川は「きょうもアウェーにたくさんサポーターが来てくれた中で負けた。次は絶対ホームで勝てるよう頑張る」と必勝を誓った。

 W杯メンバーから落選直後にC大阪からドルトムントへの移籍を決め、悔しさをバネに飛躍した。ドルトムントではリーグ連覇の立役者となり、今季からは世界的な強豪マンチェスターUに移籍。厳しいレギュラー争いの中で「成長するチャンス」と前向きな姿勢を忘れない香川が、日本をW杯に導いてくれるはずだ。

 ▽日本のW杯出場決定の行方 ヨルダン戦に敗れた日本は勝ち点13のまま。B組首位は変わらないが、W杯出場決定は6月まで持ち越された。次戦(6月4日)はホームでのオーストラリア戦。○か△で2位以内が確定し、世界最速でW杯出場が決まる。●の場合でもイラクがオマーン戦で△か●ならば出場決定となるが、イラクが○の場合は日本の最終戦(6月11日、中立地でのイラク戦)までさらに持ち越しとなる。

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2013年3月27日のニュース