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無敵バルサなぜ失速?急激な“異変”に5つの理由

[ 2013年3月12日 06:00 ]

ラコルニャ戦では主力を温存し快勝したバルセロナ

 どうしたバルサ?リーガ・エスパニョーラで今季わずか2敗と首位を独走しているバルセロナが、最近の公式戦5試合で3敗を喫した。2月20日の欧州CL決勝トーナメント1回戦第1戦は敵地でACミランに0―2で完敗しており、準々決勝進出には12日の同第2戦で3点差以上の勝利が必要。スペインの“無敵艦隊”に生じた異変の原因を探った。

 バルセロナが揺れている。今季公式戦39試合でわずか3敗だった最強軍団が最近5試合で3敗。Rマドリードには国王杯、リーグ戦と連敗し、国王杯敗退に追い込まれて4季ぶりの3冠は消滅した。なぜ急に不振に陥ったのか。そこには5つの要因がある。

 (1)エース依存 メッシはリーグ戦17試合連続でゴールを挙げているが、その他の選手は得点力不足。チーム総得点に占めるメッシの得点の割合は昨季の41.3%から今季は47.1%に上がっており、メッシが封じられると決定力は激減する。

 (2)守備力の低下 9日のラコルニャ戦で2―0で完封勝ちするまで、62年以来51年ぶりの公式戦13試合連続失点を喫した。4月に35歳となる主将のプジョルはケガが多い上にバックアップが手薄で、今季リーグ戦は27試合30失点と昨季の29失点を早くも上回った。

 (3)パススピードの低下 今季もボール支配率の高さは変わらないが、生命線であるパスワークを鈍らせるため、敵地では相手チームがピッチの芝生を長くしたり、試合前に水をまかないなどの対策を施している。

 (4)相手による研究 最近敗れたACミラン戦、Rマドリード戦は、ゴール前を固められて攻撃パターンが封じられ、ミスから速攻を受けて失点した。また欧州の主要クラブで最も低いという平均身長(1メートル77.74)も弱点で、スペインで最も平均身長が高いRマドリード(1メートル83.37)を相手にセットプレーから失点している。

 (5)指揮官の不在 ビラノバ監督が昨年12月に唾液腺がんが再発して米国で療養中。国際電話などで指示は出しているものの、チームの士気に影響している。

 9日のラコルニャ戦はメッシ、イニエスタら主力6人を先発から外し、中2日のACミラン戦に向けて温存した。シャビが負傷から復帰予定なのも朗報。天王山に向けてメッシは「第2戦で逆転できると信じている。多くの人が負けることを望みバルサの時代が終わるのを待っているようだが、今こそ立ち直る時だ」と宣言。名門の底力が試されることになる。

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2013年3月12日のニュース