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田中美 ドイツ戦先発抜てき!次代エース候補がデビュー弾だ

[ 2013年3月8日 06:00 ]

ドイツ戦での先発が予想される田中美(中央左)と大儀見(右端)

 なでしこジャパンは8日、国際親善大会アルガルベ杯の1次リーグ第2戦で強豪ドイツと対戦する。ベストメンバーで臨む方針を示していた佐々木則夫監督(54)は7日、U―19代表候補から飛び級で招集したFW田中美南(みな、18=日テレ)を先発起用する方針を明言。次世代のエース候補生がデビュー弾を狙う。

【A組日程&順位表 なでしこジャパンメンバー】

 ドイツ戦の前日に行われた最終調整の紅白戦。準備をしていた田中美は日テレの先輩・岩清水から「ミラクル・スタメンじゃねーの?」と声を掛けられた。驚く18歳に伝わってきたポジションは、主力組でエース大儀見とコンビを組む2トップの一角。佐々木監督はFIFAランク2位のドイツ相手にベストメンバーで臨む方針を示していた。その中での大抜てきだ。

 「出られたら(なでしこジャパンで)初めて。周りはベテランの方ばかりですが、消極的にならず、失敗を恐れずにやれたらいいなと思います」

 1日に高校(神奈川・百合丘)の卒業式を済ませたばかりのストライカーは、報道陣に囲まれても落ち着いて答えた。

 6日のノルウェー戦では初招集された7人の中で唯一出番なし。悔しさをかみ殺したが、指揮官はこの日の練習後に「落ち着いているし、大儀見が深く持った際に1・5列目でも受ける能力がある」と先発を明言した。

 鋭いドリブルに一瞬の切れで最終ラインの裏に抜ける新星。2月の年代別代表候補の合同合宿ではU―19で活動も、際立つパフォーマンスで「僕の心を揺るがしている」と監督に言わしめ、当初は想定外だった飛び級によるアルガルベ杯招集を実現させ、大事なドイツ戦での先発の座も奪取。勢いは止まらない。

 ドイツには昨夏のU―20W杯準決勝で0―3と完敗。自身も不本意なプレーで前半25分で退く屈辱を味わった。大会MVPのマロジャンとロッツェンの両FWはフル代表に昇格して今大会に出場しており「負けたくない」と強調した。

 合流当初は佐々木監督に再三「みなみ」と間違われたが、母の母国タイで生まれ「南の国で生まれた美しい子」を意味する「美南」は「みな」と読む。鮮烈デビューでその名をとどろかせる。

 ◆田中 美南(たなか・みな)1994年(平6)4月28日、タイ生まれの18歳。タイ人の母を持つ。小学1年で神奈川県川崎市の川崎ウィングスFCでサッカーを始め、日テレ・メニーナから昨年ベレーザに昇格。昨夏のU―20女子W杯では6試合4アシスト。1メートル61、52キロ。

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2013年3月8日のニュース