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川澄主将 再び女王の座へ熱い決意…勝利に貪欲に

[ 2013年3月1日 06:00 ]

大学生の男子選手と競り合いながらシュートを放つ川澄(左)

 アルガルベ杯(6日開幕、ポルトガル)に出場する、なでしこジャパンの川澄奈穂美(27=INAC神戸)がインタビューに応じた。川澄は千葉県内で行われている国内合宿中の28日、4人の主将のうちの1人に任命された。チームリーダーとなった川澄は、再び世界一を目指す熱い決意を語った。なでしこジャパンは1日、ポルトガルへ出発する。

【試合日程&結果 メンバー】

 若返りを図るなでしこジャパン。最年長の川澄は、佐々木監督から主将4人のうちの1人に任命された。27歳の新主将は、澤、宮間から受け継がれた重責を担う決意を語った。

 川澄 歴代の主将を見ても憧れの存在ばかり。代表に入ること自体が凄く誇らしいと思うが、その中で主将をするのは選ばれた人間だけ。しっかり意識して、やるべきところだと思います。(私が若かったころは)上の方々が凄く気配りしてくれた。自分がそういうことをしないといけない立場。しっかりやっていきたい。

 主将として臨む初めての大会、そしてなでしこジャパンとしては再スタートのアルガルベ杯が行われるポルトガルに1日、出発する。昨年、U―20W杯で活躍した田中陽ら若手も多く選出された今回のメンバー。戦力の底上げという意味合いもあるが、あくまでも頂点を狙いにいく。

 川澄 日本代表なので負けていい試合なんかないですし、勝ちにこだわることが大前提。(A代表で)世界を経験している選手が少ない。実際にピッチに立ってみないと、分からないことがある。全員がそれを感じることが非常に大事だと思います。

 W杯王者、そしてロンドン五輪銀メダリストとして恥ずかしい試合はできない。貪欲なまでに勝利を目指し、その中で得るものを重視する。

 視線の先にあるのはW杯連覇と、16年リオデジャネイロ五輪での初優勝だ。昨年のロンドン五輪では決勝で米国に敗れ、あと一歩で世界大会2大会連続優勝を逃した。

 川澄 悔しかった。やり切った感じはある。みんなで戦った良い試合だった。でも自分自身、何かもっとできることがあったんじゃないかと思うと、凄く悔しかった。

 自身のことを「負けず嫌いで、暑苦しい人間」と評する川澄。負けたまま終われるはずがない。

 川澄 (11年W杯、12年ロンドン五輪で)日本はやっと世界のトップに一歩入れた。いかに、つなげていくかが大事。自分は今、現役選手としてやっている。(世界一は)絶対に目指してやりたいところですね。

 そのために個を磨くことも忘れていない。育成年代から、プレー面で課題を見つけ、練習中にその課題を意識し続け、乗り越え、自らのものにしてきた。

 川澄 今は、いつもだったらパスを選択するペナルティーボックス(エリア)付近でも、一歩仕掛けたり、早めに足を振ることを心がけています。ゴール前で怖い選手になれるように常にゴールを意識してやっています。

 左右のサイドMFとして、さらに多くの得点に絡むために。プレーを磨く日々は続く。

 世界と日本の“違い”についても冷静に測っている。欧米の選手よりも、フィジカル面で劣るとされている日本人だが、川澄は否定する。

 川澄 海外の選手の方が足が速いように見える。でも日本―フランス戦のデータを見たときに、右サイドのトミス選手以外だと日本選手の方が初速は速い。そこを生かしていければ、と強く感じた。

 90分間、長い距離を競走し続ければ、負けてしまうことの方が多い。しかし、やっているのはサッカー。一瞬のスピードで相手を出し抜ければ、チャンスは生まれる。

 川澄 ゴール前で10メートル、20メートルの距離を“よーい、ドン”で走ることはそんなにない。いいポジションをとって、ファーストタッチや、1歩、2歩の初速のところで勝てれば、ゴール前で“いける”というのはある。ボールを回して、ゴール前につなげていければ、対等にやっていけると思います。

 体格やパワー面でも同じことが言える。

 川澄 しっかりと自分のいい体勢でチャージすれば、相手を吹っ飛ばすこともできる。そこは対等なやり合いができるという気持ちも大事。

 世界と戦い続けてきた川澄だからこそ言える言葉。アルガルベ杯ではそのキャプテンシーにも注目が集まるが、一選手としても進化した姿を見せてくれそうだ。

 ≪インタビューの模様 19日に放送≫川澄のインタビューの模様は19日午後9時からのBSスカパー!「フットボールクラッキ」で放送される。INAC神戸への思い、なでしこリーグにかける決意、戦術論にも話題は及ぶ。またスカパー!では23日に開幕するなでしこリーグの注目カードを毎節1、2試合中継する。

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2013年3月1日のニュース