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ベッカム仏デビュー先送りも“超優秀営業マン”実証

[ 2013年2月19日 06:00 ]

パリSG入団会見でユニホームを掲げるベッカム

 ベッカム=カネのなる木?1月31日に5カ月契約でパリSGに加入した元イングランド代表MFデビッド・ベッカム(37)は、17日に行われたソショー戦でベンチ外となり、フランスデビューは24日のマルセイユ戦以降に先送りとなった。選手としてはチームに貢献できていないが、ピッチ外ではグッズ売り上げやスポンサー獲得などで既にクラブへ大金をもたらしている。

 パリSGデビューがお預けとなったベッカムの契約期間は6月末までのわずか5カ月。そのうち約1カ月はプレーしないことになり、選手としては“不良債権”といえる。しかし“営業マン”としてみれば超優秀。既に給料以上のカネをクラブにもたらしたからだ。

 象徴的なのが、グッズの売り上げだ。クラブは1月31日の入団会見と同時に「背番号32ベッカム」のレプリカユニホームを販売開始。5カ月間での売り上げ目標はなんと30万枚。価格は1枚110ユーロ(約1万3800円)なので総売上高は3300万ユーロ(約41億3700万円)にもなる。パリの慈善団体に全額寄付される予定のベッカムの年俸は英国の報道によると400万ポンド(約5億8000万円)とされ、ユニホームの売り上げ1カ月分(約8億2700万円)でその額を上回る。

 ベッカムを利用して世界中で稼ごうとしているのが、パリSGの親会社でカタール王族が所有する投資会社「カタール・スポーツ・インベストメンツ」。11年にクラブを買収し、同社会長を務めるカタール人のアルケライフィ氏がクラブ会長を兼任。ベッカムの入団会見に同席した同会長は「ベッカムはクラブに大きな価値を加えてくれる資産だ」とコメントして商業的側面を強調した。

 フランスリーグの海外放映権はカタールのテレビ局「アルジャジーラ・スポーツ」が保有しており、売り上げアップは確実。ベッカム加入2日後に、クラブは主要スポンサーのエミレーツ航空(UAE)と推定総額1億2500万ユーロ(約157億円)で5年の契約延長に合意した。13日のベッカムのチーム初練習には、世界中から約200人の記者が集結するなど、各メディアで露出が急増。さらに試合に出場すれば観客増も期待できる。アベノミクスならぬ“ベッカミクス”はさらなる波及効果を生みそうだ。

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2013年2月19日のニュース