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「ペップ」バイエルンは第2のバルサになるのか?

[ 2013年1月22日 06:00 ]

バイエルンMと来季から3年契約を結んだ前バルセロナ監督のジョゼップ・グアルディオラ氏

 グアルディオラ+ネイマール=打倒バルサ?バイエルン・ミュンヘンが16日に前バルセロナ監督のジョゼップ・グアルディオラ氏(42)と来季から3年契約を結んだと発表したことを受けて、欧州を中心に早くも新指揮官に関連する報道が過熱している。最大の関心は補強選手で、その候補として浮上してきたのがブラジル代表FWネイマール(20=サントス)。また、古巣バルセロナの幹部が引き抜きを警戒するなど波紋が広がっている。

 これがバルセロナで計14ものタイトルを獲得した名将の影響力なのか。バイエルンMの来季監督就任が発表されただけで、ニューヨーク滞在中のグアルディオラ氏本人はコメントを一言も発していないにもかかわらず、どの現役監督よりもメディアをにぎわしている。注目は「どんな選手を連れてくるのか」。その目玉として浮上したのがサントスのネイマールだ。

 スペイン紙アスは17日に「バイエルンMがネイマール獲りへ」と報道。その根拠として、グアルディオラ氏がネイマールから敬愛され、両者が良好な関係を築いていることを挙げた。報道を裏付けるように、ネイマールは18日に「素晴らしい監督で世界でトップの一人。彼の下でプレーしたい」とコメント。ただし「何度も言うようにサントスを離れるつもりはない」とも話しており、欧州移籍が実現するのは契約が切れる14年夏となることが濃厚だ。グアルディオラ氏はバルセロナで、サイドの選手だったメッシをセンターフォワードに起用して才能を開花させており、次は新天地でブラジルの若き才能を“第2のメッシ”として育ててチームの中心に据える可能性はありそうだ。

 また、スペインのメディアを中心に報じられているシナリオは古巣からの選手引き抜きだ。バルセロナのロセル会長は「彼は他のチームの選手に注目してほしい。われわれの選手は誰も離れたがっていない」と早くも警戒感をあらわにしている。候補に挙がっている選手は、契約延長を拒否して退団が決定的なGKバルデス、スペイン代表DFピケ、U―23スペイン代表のMFティアゴ・アルカンタラら。また“次のメッシ”と期待されるバルセロナB所属の18歳FWデウロフェウの名前も取りざたされており、人材豊富な下部組織から青田買いする可能性もある。

 さらに、コーチ候補と報じられているのが現在アルサド(カタール)でプレーするFWラウル・ゴンサレスと元バルセロナB監督のルイス・エンリケ氏の元スペイン代表コンビ。ドイツ代表中心のバイエルンMに所属するスペイン代表選手は今季加入のMFハビ・マルティネスのみだが、グアルディオラ氏の就任でパス中心のスタイルを含めてスペイン色が強くなるのは間違いなさそうだ。

 ◆ジョゼップ・グアルディオラ 1971年1月18日、バルセロナ生まれの42歳。クラブ下部組織出身でMFだった現役時代は主将も務め、6回のリーグ優勝や92年の欧州チャンピオンズ杯(現欧州CL)制覇に貢献。スペイン代表で47試合5得点。07~08年にバルセロナBの監督を務め、08年にトップチーム監督に昇格。4季で14のタイトルを獲得して12年に退任した。家族は妻と1男2女。ジョゼップの愛称形である「ペップ」と呼ばれることが多い。

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2013年1月22日のニュース