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森本応援してお金もらえる!?UAEリーグの“裏事情”

[ 2013年1月15日 06:00 ]

UAEリーグのアルナスルに移籍した森本

 FW森本貴幸(24)がセリエA・カターニアからアルナスルに期限付き移籍して注目度アップ確実のUAEリーグ。プロ化して5シーズン目と発展途上だが、他リーグにはない独特の慣習があり、クラブが観客にお金を支払っている。日本人サポーターが森本の応援に行けば、思わぬ収入を得るかもしれない。

 アルナスルに移籍した森本を応援しようとスタジアムを訪れた日本人サポーターは、驚きの体験をするかもしれない。窓口でチケットを買おうとすると無料で、スタンドに入ると食事や飲み物も無料。そして帰りにはクラブの係員から「応援してくれてありがとう」と現金が手渡される――。

 他国ではあり得ない慣習が、UAEリーグでは当たり前に行われている。リーグ関係者は「全チームが観客へお金を支払っていると思う」と説明する。全試合全員に支払われるわけではないが、1人当たりの支給額の相場は50ディルハム(DH=約1220円)。歌うなどしてホームチームを応援をすると、さらに25DH(約610円)の“ボーナス”が付くことが多く、サポーターは1試合で約2000円弱をもらえる。食事やドリンク、交通費まで出る場合もあるというから、まさに至れり尽くせりだ。

 過剰と言えるサービスの裏には、観客の少なさがある。11年にアルナスルでプレーした元イタリア代表FWトニが「なんでこんなに少ないんだ」とスタンドを見て驚いたように、リーグの平均入場者数は3240人で、森本が所属するアルナスルも3594人(ともに10~11年)。リーグ首脳は「プロ化してから5年。歴史が浅くファンが定着していない」と嘆く。

 リーグのレベルは高いとは言えない。国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)の12年ランクではUAEリーグは世界58位で、27位Jリーグ、28位サウジアラビア、50位クウェートなどに水をあけられている。ただし、森本の恩師でアルナスルを指揮するゼンガ監督が「プロ化が進んでクラブや選手の意識が変わり、レベルは上がってきている」と証言するように発展途上。ビッグネームが加入し注目度が増しているUAEで森本が活躍すれば、欧州主要リーグへの移籍や日本代表復帰につながりそうだ。

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2013年1月15日のニュース