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香川、気迫空回り…左サイドで先発も存在感示せず

[ 2013年1月14日 06:00 ]

リバプール戦の前半、競り合うマンチェスターUの香川(右)

 マンチェスターUの日本代表MF香川真司(23)が13日、ホームで行われた「ナショナルダービー」リバプール戦に先発出場した。左MFでピッチに立ち公式戦2試合連続の先発、左膝負傷から復帰後は4試合連続出場だった。9月29日のトットナム戦以来となる今季3点目を狙い必死にボールを追ったが、気迫は空回りし後半32分に交代。チームは2―1で勝利したが、定位置確保へ課題を残す結果となった。

 気迫の“体当たり”だった。前半45分、香川がファンペルシーのヒールキックシュートのこぼれ球に反応。ケガを恐れることなくゴール前の混戦に突っ込んだ。ボールに触ることはできずに勢い余って、相手のスペイン代表GKレイナに激突。得点にはつながらなかったが、ゴールへの執念を見せた。5日のFA杯3回戦ウェストハム戦に続く、公式戦2試合連続の先発出場。約2カ月の離脱を強いられた左膝負傷から復帰後は4試合連続の出場に燃えていた。

 ウェストハム戦では希望するトップ下でピッチに立ったが、存在感を示せずに地元各紙から酷評された。巻き返しを期して臨んだこの日、与えられたポジションは左MF。サイドで結果を出せば、膝裏の負傷で離脱中のFWルーニーが復帰してもポジションを確保できるだけに、重要な意味を持つ一戦だった。

 だが、気合は空回りした。前半19分に縦パスを受けてボールキープ。マークを受けながら粘ってウェルベックにつなぎ、その後の展開からファンペルシーの先制弾が生まれたが、存在感を示したのは数えるほどしかなかった。後半19分の右足シュートもレイナの好セーブに阻まれ、後半32分に途中交代。サイド攻撃中心のスタイルに順応しきれず、ボールを触る機会は少なかった。それでも「結果として勝てたことは大きい。どんなポジションでも、今は試合に出て自分のスタイルややりたいことを結果として出し続ける必要がある」と悲観はしていない。

 リバプールとの一戦はイングランド国内で「ナショナルダービー」と位置づけられており、スタンドでは欧州CL決勝トーナメント1回戦(2月13日、3月5日)で対戦するRマドリードのモウリーニョ監督も視察した。香川は昨季まで所属したドルトムント時代には同じルール工業地帯に本拠を置くシャルケとの「ルールダービー」で活躍してチームに認められた経緯があるが、結果は出せなかった。

 日本代表として2月6日の親善試合ラトビア戦(ホームズ)に招集されることが濃厚。だが、所属クラブで定位置を失えば、コンディションを落とす可能性もある。「厳しい道のりは続くが、このスタイルに順応したい」。世界屈指のビッグクラブに移籍して半年。ザックジャパンのエースが正念場を迎えている。

 【香川の負傷経過】

 ▼10月23日 欧州CL1次リーグ・ブラガ戦の前半27分に左膝を負傷。

 ▼10月24日 マンチェスター市内の病院で精密検査を受ける。

 ▼10月26日 クラブから「香川が左膝の負傷で全治3~4週間と診断された」と発表される。

 ▼11月3日 復帰が大幅に遅れることが判明。クラブ公式サイトで、ファーガソン監督が「あと4週間で復帰できる」との見解を示した。

 ▼12月24日 トップチームの全体練習に合流。

 ▼12月26日 ホーム・ニューカッスル戦試合前にピッチで体を動かす。ベンチ入りはしなかったが、ドリブルやダッシュなどを披露。

 ▼12月29日 復帰戦のホーム・ウェストブロミッジ戦でトップ下で先発し後半21分までプレー。前半9分に先制点の起点となった。

 ▼1月1日 敵地ウィガン戦で後半24分から途中出場。本職でないボランチでプレーして4―0の圧勝に貢献。

 ▼1月5日 FA杯3回戦の敵地ウェストハム戦にトップ下で先発し、昨年8月以来のフル出場。目立った活躍はできず、地元紙からも厳しい評価を受けた。

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