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鵬翔、宮崎県勢初の決勝進出!今大会3度目のPK戦制す

[ 2013年1月13日 06:00 ]

<鵬翔・星稜>PK戦で勝利を収め、最後のキッカーの川崎の元に走る鵬翔イレブン

全国高校サッカー選手権準決勝 鵬翔2―2(PK4―3)星稜

(1月12日 国立)
 今大会3度目となるPK戦。鵬翔は6人目のMF川崎が落ち着いて決め、歴史を塗り替えた。宮崎勢初の決勝進出。笑顔で抱き合うイレブンに言葉はいらなかった。

 耐え抜いて得意のPK戦に持ち込んだ。前半14分に先制され、大会5試合目で初めてリードを許した。だが、すぐに守備を立て直すと、同31分、MF小原がFKを直接決めて流れを呼び戻した。右足でカーブをかけて左隅に叩き込み「理想的なキック。練習通り」と胸を張った。自主練習で30分かけて入念にFKの練習を重ねてきた成果が大一番で出た。後半36分に再びリードを許したが、2分後にMF東が同点ゴール。松崎監督は「最後まで諦めずに一生懸命やってくれた」と初の国立の舞台で見せた選手の粘りに感嘆した。

 激闘を演じた星稜とは浅からぬ縁があった。松崎監督と星稜・河崎監督はともに87年度大会で初采配。宿舎も同じで健闘を誓い合った。ただ、前回大会まで県内のライバル・日章学園に5年連続出場を許した鵬翔に対して、星稜は14年連続23度目出場の超常連校。「うちは6年ぶり。苦しい時期が長かった」と指揮官。雌伏の時を乗り越えての決勝進出だ。

 見えない力も味方した。昨年1月10日に松崎監督の長男で、サッカー部OBの康博さんが不慮の事故により34歳の若さで他界。一周忌の10日に監督、選手全員が宮崎市内で墓参りしてから東京入りした。直前には手違いで星稜のVTRを入手できないトラブルもあったが、一丸となったチームには関係なかった。神話の国・宮崎から来たイレブンの快進撃。松崎監督は「神懸かりという言葉を何度も使うけれど、本当にそういうものを子供たちが持っている」と謙遜するが、実力は本物だ。この勢いのまま、宮崎勢初の優勝を奪いにいく。

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