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桐光 野路“劇弾”で4強!俊輔以来16年ぶり国立決める

[ 2013年1月6日 06:00 ]

<作陽・桐光学園>後半ロスタイム、桐光学園・野路が決勝ゴールを決める

全国高校サッカー選手権大会準々決勝 桐光学園2-1作陽

(1月5日 ニッパツ)
 全国高校サッカー選手権準々決勝4試合が行われ、桐光学園(神奈川)は、後半ロスタイムにエースFW野路(のじ)貴之(3年)が勝ち越しゴールを決め、MF中村俊輔(34=横浜)を擁して準優勝した96年度以来16年ぶりの4強入りを果たした。12日の準決勝(東京・国立競技場)では帝京長岡(新潟)に勝った京都橘と対戦する。
【試合結果 トーナメント表】

 4強入りを決めて歓喜の輪をつくる水色のイレブンの中で、エースがドヤ顔を決めた。見せ場は後半ロスタイムだった。右サイドからロングスローでゴール前に運ばれたボールが相手DFに接触しながらもつれた。左サイドにいた野路はそのチャンスを逃さなかった。素早くこぼれ球に近づくと、思い切って右足を振り抜いた。値千金の決勝弾。「無我夢中でした。試合前に(佐熊)監督から“きょう決めそうだな”と言われていたんです」と喜びを爆発させた。

 国立で戦えるのはわずかに4校。もちろん野路にとっても夢舞台だ。「小さいころから選手権は見ていたし、(国立に)行きたいと思っていた」。昨年の市船橋と四日市中央工との決勝戦はスタンドで観戦。「来年こそは…」と決意し、その夢をかなえた。

 四日市中央工との2回戦では2得点1アシストと活躍したが、3回戦の佐賀商戦ではチャンスに決めきれず不発。落ち込んで宿舎に戻った自身に与えたのはショック療法だった。映像で目に焼き付けたのはシュートを外しまくった自身の姿。「こうなりたくない」と暗示をかけ、「どうすればいいか」と思い直した。答えは失敗を恐れずに前向きになること。気持ちの持ち方ひとつで楽になれた。観戦した母・夕華さんも「小6の時、横浜市の大会の決勝でもゴールを決めていたんです」と、愛息の勝負強さを喜んだ。

 この日のゴールで大会通算は3得点。得点ランクもトップと1差に迫った。野路はJクラブの下部組織も所属するプリンスリーグでは今年度、16ゴールで得点王。「得点王は目指していきたい。ポストプレーがうまくても(FWとして)点が取れなきゃ意味がない」と言い放った。好きなサッカー選手は12年度のJリーグ得点王、FW佐藤寿人(30=広島)。憧れの選手に少しでも近づくことができれば、夢は現実のものとなる。

 ◆野路 貴之(のじ・たかゆき)1994年(平6)9月14日、神奈川県横浜市生まれの18歳。小1のときに田奈スポーツクラブでサッカーを始め、横浜ジュニアユースでプレー。好きな選手は佐藤寿人。好きな食べ物はスイーツ。神奈川大に進学予定。家族は両親と兄、姉。1メートル72、62キロ。利き足は右。

 ▽プリンスリーグ 高校生年代を対象に、全国を北海道から九州までの9地区に分けて、高校、Jクラブの下部組織などが参加。2回戦総当たりのリーグ戦形式で争われる。03年から10年までは「全日本ユース」(U―18)の予選を兼ねていたが、11年から「U―18プレミアリーグ」(全国リーグ)の下部リーグに位置づけられた。桐光学園は今年度、関東1部で優勝。プレミアリーグ参入戦も勝ち、来年度の昇格を決めている。

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