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澤サンタ先制弾!自ら企画の復興支援マッチで東北へ贈り物

[ 2012年12月26日 06:00 ]

<2012メモリーズ・2020フューチャードリーム>前半、ゴールを決め、チームメートと抱き合う澤(右から2人目)

SAWA and Friends’ X’mas Night 2012

 なでしこジャパンの澤穂希(34=INAC神戸)が発起人となって開催された東日本大震災復興支援チャリティーマッチが25日、国立競技場で行われた。前半はロンドン五輪代表主体の「2012メモリーズ」が、U―20W杯代表中心の「2020フューチャードリーム」と対戦し、澤の先制ゴールなどで3―0で勝利。後半はその混合チーム「澤&フレンズ」と男子の元日本代表を中心とした「レジェンドプレーヤーズ」が対戦した。この試合の入場料収入は全額、復興支援に充てられる。

 クリスマスの国立競技場から被災地へ、澤が激励のゴールをプレゼントした。前半26分、宮間の右クロスからゴール前は混戦に。こぼれ球に詰めたのは澤だった。22日の皇后杯準決勝から4日で3試合。24日の皇后杯決勝から“中0日”。それでも10番を背負ってボランチの位置で先発。「(体力的に)きつかった。でもいいところにボールがこぼれてきた。チャリティーマッチで得点がないのは寂しい。(観客が)喜んでくれたし、重みのある点だったと思います」。前半は30分間、後半は23分間プレーした。傷ついた人々のために。その思いがシーズン後の疲れ果てた体を突き動かした。

 11月に初めて試合以外で被災地を訪問した。津波が襲った沿岸部では、その被害の大きさに衝撃を受けた。「私はずっとサッカーに携わってきた。サッカーを通じて被災地の子供に笑顔を取り戻してほしい。元気やパワーを与えられたらと思います」。復興支援のために自らができることを考え、この試合の開催へと動いた。なでしこジャパンや、ヤングなでしこに声を掛け、さらには男子の元日本代表選手まで、思いに賛同するサッカー関係者を集めた。

 心だけでなく物でも支援する。この試合の入場料収入は全て復興支援に充てられる。スタンドには一時避難で離れ離れになった岩手、宮城、福島3県のサッカー選手たちを招待し、再会の場を設けた。岩手県陸前高田市内のグラウンドにスプリンクラーを設置し、同県大槌町にフットサルコートを造る予定だ。

 恩返しでもあった。11年のW杯ドイツ大会優勝、そして今夏のロンドン五輪で銀メダルと日本からの声援を背に好成績を収めた。「私たちは声援に後押しされ、みなさんが喜んでくれる成績を残してきたと自負しています。その恩に報いる番だと思いました」と話した澤。そして最後にこう言った。「私たちは3月11日を忘れません。きょうからがまた新たなスタートです。復興に懸けるみなさんといつも一緒にいることをお伝えします」。復興はいまだ道半ば。しかし、なでしこの支援は歩みを止めない。

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