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チェルシー ゴール遠く完封負け…初の世界制覇ならず

[ 2012年12月17日 06:00 ]

<チェルシー・コリンチャンス>ガックリのトーレス(左から3人目)らチェルシーイレブン

クラブW杯決勝 チェルシー0-1コリンチャンス

(12月16日 横浜国際)
 希望を乗せたオスカルのクロスにフェルナンド・トーレスが頭を合わせる。カーヒル退場を受けて10人で1点を追った後半ロスタイム、ボールはネットを揺らしたが、同時にオフサイドを示す旗も揚がった。歓声とため息が交錯する中、世界制覇を狙ったチェルシーの野望は目前でついえた。

 「一つの好機を決めるかどうか…。できなかったことが違いを生んだ」

 ベニテス暫定監督が渋い表情で漏らした。前半38分にランパードのロングパスを前線のトーレスが華麗なトラップでさばいて決定機を築いたが、ゴールは逃した。3戦連発5得点から一転して不発に終わったストライカー。マタは「トーレスのことは残念だけど全員の責任。好機をものにできなかった」とスペイン代表の仲間をかばいつつチームの力不足を認めた。

 資産が2兆円を超えるロシアの石油富豪アブラモビッチ氏が03年7月にクラブを買収。大型補強で投じてきた移籍金と年俸の総額は21億ポンド(約2834億円)とも言われるが、前年王者として初めて1次リーグ敗退を喫した欧州CLに続き、クラブ頂上決戦で欧州王者として6大会ぶりに優勝を逃す屈辱となった。グアルディオラ前バルセロナ監督の来季招へいの可能性が報じられる中、暫定監督の立場が危うくなったことは間違いない。

 準決勝で活躍しながら決勝で先発を外れたオスカルがウオーミングアップ直後、母国ブラジルのテレビ局に「頭がおかしい」と監督批判したとブラジルのメディアで速報された。試合後に本人は「監督の決断だから仕方ない」と話したが、悪夢の幕切れと同時に不協和音まで浮上。希望に満ちて来日した欧州王者が、不穏な空気の中で離日を迫られることになった。

 ▽チェルシーFC 1905年創立。本拠地はロンドン。愛称はブルーズ。モウリーニョ監督(現Rマドリード)の下で04~05年に50季ぶり2度目のリーグ優勝を果たして連覇も達成。09~10年に4度目のリーグ制覇。11~12年に悲願の欧州CL初優勝を達成した。FA杯優勝7回、リーグ杯優勝4回、欧州カップウィナーズ杯優勝2回。ホームはスタンフォード・ブリッジ(4万1837人収容)。

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