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マタ!トーレス!スペイン代表コンビでチェルシー王手

[ 2012年12月14日 06:00 ]

ドリブル突破を図るチェルシーのトーレス

クラブW杯準決勝 チェルシー3-1モンテレイ

(12月13日 横浜国際)
 準決勝が13日に横浜国際で行われ、欧州王者チェルシー(イングランド)が北中米カリブ海王者モンテレイ(メキシコ)に3―1で快勝し、初の世界王座に王手をかけた。FWフェルナンド・トーレス(28)とMFファン・マタ(24)のスペイン代表コンビが全3得点に絡む活躍で貢献。16日に行われる南米王者コリンチャンス(ブラジル)との決勝に弾みをつけた。
【試合結果 日程と結果 動画】

 2人で試合を決めた。前半17分にマタが流れるようなパスワークから先制点を挙げ、後半開始直後は左サイドから折り返しを受けたトーレスが左足で追加点。シュートが相手選手に当たってコースが変わり、2点目が生まれた。2分後にトーレスのパスを受けたマタが右サイドから折り返して決定的なオウンゴールを誘発。チェルシーが世界王者への夢を膨らませる会心の勝利を挙げた。

 「いい動きから速いテンポでボールを回して良いゴールが生まれた。ポジティブな面が出た素晴らしい勝利だ。トーレスも好機があれば決めてくれる」とベニテス暫定監督が手応えを口にした。

 前年の欧州CL王者としては初の1次リーグ敗退を喫して迎えたクラブW杯。マタは「過去に多くの偉大な選手でさえ出場できなかった大会。この機会は逃したくない」と必勝を期し、トーレスも「次の機会があるか分からない」と意気込んでいた中で結果を出した。

 11年1月に優勝とは無縁だったリバプールから「タイトルが欲しい」とチェルシーに加入したトーレス。その半年後にはトーレスが推薦する形でマタもバレンシアから移籍した。チェルシーで不発が続いてトーレスが批判を浴びた際はマタが「結果を出してくれると信じている」とかばい、トーレスも「マタが加入して幅が広がった」と称えるなど支え合ってきた。

 アブラモビッチ・オーナーが求める攻撃サッカーの足掛かりとして加入した2人に加え、今季はオスカルとアザールのテクニシャンが加わった。欧州CL優勝を果たしながらも守備的だった昨季からステップアップを図り、この日は2列目に並んだマタ、オスカル、アザールらが流動的に動いて華麗なパスワークを展開。トーレスも得点機に絡んで相手を圧倒した。

 W杯制覇に欧州選手権連覇と攻撃的なスタイルでサッカー界をリードするスペイン代表コンビで王手。「代表の次はクラブで世界一になりたい」とマタが言えば、トーレスも「欧州選手権に続いてクラブW杯で優勝できたら素晴らしい1年になる」と力説した。頂点はすぐそこに見えている。

 ◇チェルシーあらかると

 ☆創設 ロンドンを本拠地として1905年に創設。ホームはスタンフォード・ブリッジで4万1798人収容。愛称はチームカラーの青から「ザ・ブルーズ」。

 ☆優勝 リーグ4回(55、05、06、10年)。FA杯7回(70、97、00、07、09、10、12年)。イングランドリーグ杯4回(65、98、05、07年)。欧州CL1回(12年)。コミュニティーシールド=スーパー杯=4回(55、00、05、09年)。欧州カップウィナーズ杯2回(71、98年)。欧州スーパー杯1回(98年)。

 ☆オーナー 03年7月にロシアの石油富豪アブラモビッチ氏が就任。2兆円を超えるとも言われた資産を背景に大型補強を実現し、就任2年目の04~05年シーズンにモウリーニョ監督(現Rマドリード)の下で50季ぶりのリーグ優勝を達成。招へいした指揮官はベニテス暫定監督で9人目で、これまでに違約金を含めて7000万ポンド(約94億円)を投じたとされる

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