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パウリーニョが導く コリンチャンス世界一

[ 2012年11月20日 06:00 ]

ブラジル全国選手権 コリンチャンス2-0インテルナシナオル

 12月6日開幕のトヨタ・クラブW杯(日本)に出場する南米王者コリンチャンス(ブラジル)が好調だ。10月16日の親善試合・日本戦で先制点を挙げたブラジル代表MFパウリーニョ(24)を軸に調整を進め、18日のブラジル全国選手権ではインテルナシオナルを2―0で破って4連勝。地元開催の14年W杯でもブラジルのキーマンとして期待される新星に迫った。

 隙を見つければ中盤の守備的な位置から駆け上がり、高い決定力でゴールを狙う。実力はペナルティーエリアの外からゴール左隅を正確に打ち抜いた日本戦で証明した。

 「打てるタイミングでは迷わず打つようにしている。あの日はうまくいったね」とパウリーニョは笑った。インテルナシオナル戦は不発に終わったが、前節コリチーバ戦では2得点した。代表招集によるチーム離脱などで全国選手権出場はここまで36試合のうち22試合にとどまるが、それでもチーム最多の7得点。豊富な運動量と高い技術でクラブ、代表で攻守に欠かせない存在となった。

 16歳で加入したフットサルのチームからサッカーに転身し、18歳でリトアニア、さらにポーランドのクラブに加入。回り道をしたが「強いフィジカルが必要な異なるサッカーを体験できた」と前向きに振り返る。帰国後に下部クラブで実績を積んでコリンチャンスに引き抜かれ、リベルタドーレス杯で南米王座に輝いた今夏はインテル・ミラノからオファー。現在もパリSG移籍の可能性が報じられるなど欧州で争奪戦が展開されている。

 代表歴は7試合と浅いが、日本戦の翌日は多くの地元メディアでチーム最高点の評価。所属するコリンチャンスの人気もあってクラブのレプリカ・ユニホームの売り上げではサントスに所属する代表エースのネイマールを上回るほどだが「努力の積み重ねが結果につながる」と浮かれることはない。優勝候補として臨むクラブW杯に関しても「世界一を意識し過ぎて浮足立ったら良くない。毎日の練習、目前の試合に集中することが大事」と気を引き締める。

 得点力を備え、攻撃の幅を広げるボランチの不在が課題だったブラジルが見つけた適任者。「日本戦のプレーを認めてもらえたのならうれしいよ。クラブW杯でも全力で戦うから応援してほしい」。日本戦で地位を確立した男が今度は日本を舞台に世界制覇に挑む。

 ◆パウリーニョ(本名ジョゼ・パウロ・ベゼッラ・マシエウ・ジュニオール)1988年7月25日、ブラジル・サンパウロ生まれの24歳。ビリニェス(リトアニア)、LKSウッチ(ポーランド)を経てブラジル下部のアウダックス、ブラガンチーノに所属。10年にコリンチャンス入りし、11年9月のアルゼンチン戦で代表デビュー。国際Aマッチ7戦2得点。1メートル80、77キロ。

 ▽トヨタ・クラブW杯 欧州と南米の大陸王者が争ったトヨタ杯(旧インターコンチネンタル杯)を00年に1度だけ開催された世界クラブ選手権と統合する形で05年から開催。現在は6大陸の王者と開催国代表を加えた7チームが争う。コリンチャンスは8チームによる00年世界クラブ選手権を制し、初代クラブW杯王者と認定されている。

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2012年11月20日のニュース