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柴崎2発!延長V弾だ!鹿島 延長制し16冠目

[ 2012年11月4日 06:00 ]

<清水・鹿島>延長前半3分、ゴールを決める鹿島・柴崎

ナビスコ杯決勝 鹿島2-1清水

(11月3日 国立)
 第20回大会の決勝で鹿島が清水を延長戦の末に2―1で破り2年連続5回目の優勝を果たした。MF柴崎岳(20)が全2得点の活躍でMVPを獲得。後半28分に自ら倒されて得たPKでネットを揺らすと、延長前半3分には右足で決勝弾を決めた。クラブは国内最多16冠目を獲得。南米カップ戦王者と対戦するスルガ銀行チャンピオンシップ(相手、日時、会場は未定)の出場を決めた。

 珍しく興奮していた。表彰式直後に行われたMVPインタビュー。いつもクールな柴崎だが、第一声は意外にも「最高でーす!」だった。声は裏返り、テンションはMAX。「まさか2ゴールもできるとは思っていなかった。良くない状態でも勝ってしまう鹿島らしさが出た。“凄いな”と人ごとのように思う」と一気にまくし立てた。

 ピッチでは落ち着いていた。0―0で迎えた後半28分にドゥトラのパスに反応。最終ラインの裏に抜け出して相手DFのファウルを誘いPKを獲得すると、自ら右隅に沈めた。1―1で突入した延長前半3分には西の横パスに反応。絶妙のトラップで最終ラインの裏に抜け出して右足でネットを揺らした。得点後も冷静さを失わず「全員で喜びを分かち合いたかった」と予定通りにベンチに直行。ジョルジーニョ監督を「これだけの選手に出会うことはそうない。今後、日本代表に欠かせない選手になる」とうならせた。

 物静かだが、芯は強い。11年10月のU―22日本代表候補合宿。初招集された柴崎は紅白戦でプレーに対する意見の食い違いから金崎(名古屋)と一触即発ムードに陥った。練習後、ホテルでスタッフが“和解”の場を設けようとしたが、拒否。その後、関塚ジャパンに招集されることはなくロンドン五輪出場も逃したが、自らが正しいと思ったことは曲げない強さが成長を支えている。

 大一番でプロ入り後初のマルチ得点をマークし、チームの16冠目に貢献。歴史に名を刻んだが「アントラーズの歴史を引き継ぐだけでは足りない。それ以上の気持ちがないと成長はできない」と満足はしていない。くしくも柴崎が生まれた92年は第1回ナビスコ杯が開催された年。第20回大会で背番号20をつけた20歳が無限の可能性を示した。

 ▽鹿島アントラーズ 1947年に住友金属工業蹴球同好会として創部。元ブラジル代表の名選手ジーコを招いて強化を進め、Jリーグ創設に参加した。J1で7度優勝、ナビスコ杯5度制覇はともに最多。天皇杯全日本選手権もプロ化後、最多の4度の優勝を誇る。アントラーは英語で「シカの枝角」の意。ホームタウンは茨城県鹿嶋市など5市。本拠地はカシマスタジアムで約4万人収容。

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