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カズ 親善試合では封印「またぎフェイント」W杯で解禁だ!

[ 2012年10月30日 06:00 ]

初戦ブラジル戦で三浦(右)のまたぎフェイントが封印を解かれる!

 フットサルW杯タイ大会(11月1~18日)に出場する日本代表は29日、ナコーンラーチャシーマー市内でタイ到着後初練習を行った。三浦知良(45=J2横浜FC)は強化試合2試合で封印してきた代名詞の「またぎフェイント」をW杯本番で解禁する考えを明言した。また地元メディアから過去2大会連続MVPのブラジル代表ファルカン(35)とともにW杯を彩るスターの一人に挙げられた。

 左右の足が高速でクロスした。カズの繰り出す、またぎフェイントに、対峙(たいじ)する選手の腰が引ける。決戦の地タイでの初練習でカズの闘争本能に火が付いた。1対1の場面では何度もフェイントを仕掛けた。「これまで機会がなかったけどね。W杯ではぜひやりたいね」。各国スカウトの目が集まった24日のブラジル、27日のウクライナ戦では封印した必殺技をW杯で解禁する。

 またぎフェイントには強いこだわりを持つ。ブラジル時代、サッカー日本代表時代、圧倒的な切れで敵をあざむき、カズの代名詞となった。今でもボールをまたぐだけで会場は盛り上がり、空気を変えることができる。カズは愛を込めて「鉄板(必ず盛り上がるの意)」と笑う。W杯で繰り出せば敵を翻弄(ほんろう)するだけでなく日本に勢いをもたらすはずだ。

 燃える理由もある。11月1日の初戦で対戦するブラジルはフットサル界の世界的スター、ファルカンを擁する。足を複雑に交差させる通称ファルカン・フェイントは世界でも屈指の高等技術。左太腿の負傷を抱え24日の日本戦は欠場したが、W杯では直接対決が濃厚だ。同じテクニック系選手として、カズが意識しないはずがなかった。

 この日は地元マチチョン紙が日本代表を取材。ピーラウィット記者(29)は「キングカズはタイでも有名。ファルカンと並ぶW杯のスター」と語った。カズ自身は「まだ(タイでは)有名な域に入らないよ」と謙遜するが、周囲は両雄の激突に盛り上がる。ブラジル戦には在留邦人を含め2000人近い日本人が駆けつける予定。ブラジルとは過去1分け12敗と未勝利だが、カズのまたぎフェイントが「ナコーンラーチャシーマーの奇跡」を起こす。

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