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カズ 代表初陣で大仕事!ブラジルに3―3歴史的ドロー

[ 2012年10月25日 06:00 ]

<日本・ブラジル>後半、華麗に相手をかわす三浦

フットサル国際親善試合 日本3―3ブラジル

(10月24日 東京・代々木第一体育館)
 カズが歴史的ドローを演出した。W杯(11月1日開幕、タイ)に出場するフットサル日本代表は、W杯1次リーグ初戦で対戦するブラジル代表と3―3で引き分けた。代表戦出場はサッカー日本代表時代の00年6月のジャマイカ戦以来12年ぶりで、フットサル代表デビューとなったJ2横浜FCの三浦知良(45)は開始5分に初登場。果敢にゴールを狙い、2点目の起点になるなどブラジル戦初の引き分けに貢献した。日本代表は27日に旭川でウクライナ代表と親善試合を行う。
【フットサル日本代表】

 カズはやっぱりカズだった。青いユニホームを身にまとい、初めて立ったフットサル日本代表のコート。試合前、両国の国歌が流れる。カズは右手を胸に当て目を閉じた。「ジーンと来たね。ブラジル国歌もジーンと来ちゃったけど。幸せな時間だったよ」。以前、携帯電話の“着メロ”にも設定していたブラジル国歌、そして君が代を口ずさむ。アドレナリンが大量に分泌された。

 最初の出番は前半5分。いきなり魅せた。左サイドで2人の選手に囲まれる。体を鋭く反転させ1人をかわすと次は浮き球で2人目を抜き、強烈な左足シュート(記録はシュートなし)。世界王者を相手に圧巻の切れをみせた。同13分には中盤でボールを落ち着かせ、2点目の起点となった。歓声がどよめきに変わる。ビッグゲームでの強さは不変だった。

 「周りのみんなに引き上げられたかな。シュートは腰が少し回らなかった。次までに練習しとくよ」。カズは笑う。だがその言葉が謙遜であることを敵将が指摘した。試合後、マルコスソラト監督は「ブラジル時代からカズのファンだった。今後、大きな存在になることは間違いないよ」。通算13度目の対戦で初の、歴史的ドロー。カズの影響力は絶大だった。

 45歳でのフットサルW杯挑戦。周囲に「話題集めだろ」という冷ややかな声がなかったと言えばうそになる。だがカズのフットサルに対する真摯(しんし)な姿勢、圧倒的な吸収力が雑音を封じた。2点目を決めた北原は「本音で言って驚いてます。あの姿勢、成長の速度には目を見張る。もちろん大事な戦力です」と言った。

 W杯を意識してか、代名詞となっている、またぎフェイントは封印。ダンスも踊らなかった。それでも出場した6分47秒間で、カズが、フットサルでもカズであることは証明した。「W杯では本気のブラジルと戦う。気持ちを引き締め、チームを一つにして戦いたい」。かつてサッカー日本代表の象徴だったカズ魂は、タイに乗り込む「SAMURAI5」(フットサル日本代表の愛称)でも先頭に立つ。

 ▼ロドリゴ監督 子供が初めてピッチに立った感覚だったと思う。攻撃はいいパフォーマンスを見せた。守備はブラジルのスピードに戸惑っていたが(全体としては)非常によかった。試合ごとに良くなっていくと思う。

 ▼小宮山 自分のスタイルを持っていて、ドリブルやパスなどワンプレーでチームに勢いをもたらしてくれるし、チームに落ち着きも与えてくれる。

 ▼星 (カズのプレーは)守備面では、練習ではできている部分も、相手がブラジルということで、ずれる部分もあった。攻撃ではチャンスをつくれていたし、良かった。

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2012年10月25日のニュース