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ウィルで“3発”仙台 3位浦和撃破で首位と勝ち点並ぶ

[ 2012年10月21日 06:00 ]

<仙台―浦和>後半、チーム2点目のゴールを決めたウイルソン(18)と喜ぶ赤嶺(中央上)ら仙台イレブン

J1第29節 仙台3―2浦和

(10月20日 ユアスタ)
 2位・仙台が3位・浦和を3―2で破り、柏に敗れた首位・広島と勝ち点54で並んだ。前半2分にFW赤嶺真吾(28)が2年連続2桁得点となる今季10得点目で先制。後半17、34分にはFWウイルソン(27)がゴールを決めた。浦和は2連敗で失速。広島は終了間際の失点で1―2で痛い星を落とした。

 守備陣を中心に大きな輪ができた。中盤の底で奮闘した角田はピッチにうつぶせ、両拳を握りしめた。優勝戦線生き残りをかけた3位・浦和との直接対決。打ち合いを制して、首位・広島に肉薄した。

 殊勲者はウイルソンだ。前半2分に赤嶺の先制点をアシストすると、1点リードの後半17分にはカウンターから左足で8月25日の大宮戦以来6試合ぶりのゴール。1点差に迫られた同34分にはロングボールのこぼれ球に反応し、ワンフェイントでDFをかわして、冷静に右隅に流し込んだ。芝生のはげた劣悪なピッチに苦戦した浦和を尻目に、効果的な攻撃で全得点に絡んだ。

 先月3日に第2子となるルッカくんが誕生。今月3日に夫人とともに来日し、この日もスタンドで観戦した。「家族の前で決められて幸せだよ。練習で疲れて家に帰るといつも癒やしてくれる。次への力を与えてくれるんだ」。愛息にゆりかごダンスを贈ったウイルソンは満面の笑みを浮かべた。

 夏場に他のJ1クラブが獲得を検討する中、来季残留が濃厚。クラブ史上初のACL出場権獲得も間近で、頼れる助っ人の残留は大きい。だが今のウイルソンの目に映っているのは個人の事情よりもチームのこと。「まだ戦いは続く。毎試合、集中して勝ち点3を積み上げていきたい。最後には優勝をつかみ取りたいんだ」とクラブ史上初のリーグ制覇へ視線を向ける。

 「大きな勝ち点3」と手倉森監督は精神力の強さを見せつけた選手を称えた。デコボコのピッチとは違って、きれいに見えてきた仙台のVロード。残り5試合。栄光のゴールテープを目指して突っ走り続ける。

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