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香川中央で生きた FW“新オプション”に

[ 2012年10月17日 06:00 ]

<日本・ブラジル>前半、香川はシュートを放つがオフサイド

国際親善試合 日本0-4ブラジル

(10月16日 ウロツワフ)
 歴然とした力の差を香川真司は感じ取った。前半は左MFでプレー。同15分に中村からのスルーパスに抜け出し、シュートを放ったがオフサイド。それが前半最大の見せ場だった。後半からトップ下に入ると、流動的に動く本田に代わってFWの位置まで上がる場面が増え、攻撃が活性化した。それでもネットは揺らせなかった。後半5分、本田からのパスを受け、ドリブルから左足シュート。ゴールのわずか右に外れていった。

 「イメージ通りだけど、入らなかった。ハーフタイムに監督からもっと前に行けと言われ、点を取りに行こうと思ったが…。そこがブラジルとの差。決定力の高さ、個の強さ(の差)を痛感した。もっとブラジルを本気にさせたかった」

 12日のフランス戦では後半41分からFWに入り、同43分に決勝弾。波に乗って臨んだ一戦だったが、カナリア軍団の壁は高く、自身初となる国際Aマッチ2試合連続ゴールはならなかった。

 ブラジルは原点とも言える相手だった。05年9月の仙台杯国際ユースサッカー大会。U―18東北選抜の一員として出場した香川はブラジル戦で巧みな技術を見せて存在感を示した。サッカー王国との一戦で自信をつけると、続くU―18日本代表戦では内田、吉田、槙野、安田が並んだ最終ラインを翻ろうして5―2で大勝。視察したブラジル関係者から「今すぐブラジルに連れて帰りたい」と言わしめた。この大会で一躍、名は知れ渡り、高校2年時に卒業を待たずにC大阪と契約。一気に成功への階段を駆け上がった。

 しかし、A代表では初となる王国との対戦は、ホロ苦いものとなった。W杯本番まで約2年。「あっという間だと思う。全員がもっと(W杯を)意識していかないと」。この悔しさを胸に、再び定位置争いの待つイングランドの地で自らを鍛え上げる。

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2012年10月17日のニュース