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待ってました!陽子 リーグ戦初ゴール「これから始まる」

[ 2012年10月1日 06:00 ]

<AS狭山・INAC神戸>後半ロスタイム、リーグ戦初ゴールを決め、近賀(左)とハイタッチするINAC神戸・田中陽

なでしこリーグ第12節 INAC神戸9―1AS狭山

(9月30日 NACK)
 首位を走るINAC神戸はアウェーでAS狭山と対戦。9―1と大勝し、勝ち点を34に伸ばした。U―20女子W杯で6得点をマークして、日本を銅メダル獲得へ導いたルーキーのMF田中陽子(19)が、リーグ戦3試合目の出場で初ゴールを挙げて貢献した。

 待ちに待った瞬間に田中陽の喜びがはじけた。後半33分、川澄に代わって右MFに入る。そして同ロスタイム、相手DFがゴール前でクロスの処理を誤るとそのこぼれ球に反応。右足でゴールに突き刺した。「途中から出たら結果が必要だと思っていた。うれしさはあります」。南山と抱き合い、陽子スマイル全開。観衆2900人から陽子コールを浴びると、試合後はサポーター席にお礼の言葉を述べた。

 苦しんだ。U―20女子W杯で、左右両足でFKを決めるなど6得点を挙げ日本に史上初の銅メダルをもたらしたエース。一躍注目される存在になった。しかし、INAC神戸では控え。中盤にはロンドン五輪銀メダリストのなでしこジャパンの沢や川澄らがいる。スター軍団の陰に隠れた。

 それでも練習からアピールしチャンスをもらい、短い出場時間で結果を残した。「U―20(女子W杯)となでしこリーグとではプレッシャーの速さが違う。練習からプレーの質を上げるように常に心がけている」。前日29日にはヤングなでしこの同僚で日テレの田中美南が得点を挙げ“負けられない”という気持ちに火が付いていた。

 この日はなでしこジャパンの佐々木監督が視察に訪れた。まだ指揮官の去就は決定していないが続投するとなれば将来のA代表入りを目指す田中陽にとっては大きなアピールの場。「攻撃に関わっていく部分を見てほしい」。田中陽がゴールを挙げた時にはすでに佐々木監督は席を離れていたが、ドリブルや、少ないタッチ数での細かいパスなどゴール以外でも攻撃にアクセントを付けたプレーは、佐々木監督の目に焼き付いているはずだ。

 もちろん目指すのはタイトル。首位のINAC神戸は勝ち点3を上積みして通算勝ち点は34。2位の日テレに5差をつけており、優勝へ視界は良好だ。田中陽は「もっとチームの戦力になれるように練習して、(6日の千葉との)次戦に臨みたい。(初ゴールを挙げて)これから始まるなという感じ」。今はまだ控え選手の一人。しかし、頂点に向かってひた走るチームに少しでも貢献するため、そして自身のスタメン奪取のために19歳が大きな一歩を踏み出した。

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2012年10月1日のニュース