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名刺代わり15発!カズ“代表”合宿でシュート乱れ打ち

[ 2012年9月25日 06:00 ]

キング健在!!フットサル代表合宿でシュートを放つカズ

 カズの新たな挑戦が始まった。11月1日開幕のフットサルW杯タイ大会に向け、日本代表候補が24日、名古屋市内で強化合宿をスタートした。00年12月のサッカーの韓国戦以来12年ぶりに日本代表の練習着に身を包んだJ2横浜FCの三浦知良(45)は肩、首に不安を抱えながらも練習をフルで消化しミニゲームでは15本のシュートを乱れ打ち。悲願のW杯へ力強いスタートを切った。

 カズはやっぱりカズだった。ダブルのスーツにサングラスというスタイルで名古屋市内の宿舎に到着。練習場へのバスではサッカー日本代表時代からの“指定席”、左最後尾の通称キングシートに腰を下ろした。「きょうは一番乗りして先に座ってたよ。誰かが先に座ってて“どいて”って言うのも悪いでしょ。これでも気を使ってるんだよ」とおどけてみせた。

 種目は違えど12年ぶりの日本代表合宿。テンションは一気に高まった。肩、首痛を抱え、当初は別メニューのはずが、ボールを持ちながらのミニゲームなどをフル消化。際立ったのは圧倒的なゴールへの意識だ。参加選手最多のシュート15本。接触プレーを避けながらだったが、名刺代わりの3得点も決めた。

 カズは言う。「1月、Fリーグに参加した時もロドリゴ監督からシュートの多さを評価してもらったんで」と。実は午前中も横浜市内で練習を行い、肩、首の負担を考え封印してきたヘディングを解禁した。今回の合宿は11月開幕のW杯に向けた第一歩という位置付け。重要性はカズなりに理解していた。

 数々の栄光を築いたサッカーのA代表とは異なる部分も多い。練習着は青ではなくピンク。宿舎もA代表の泊まるような豪華ホテルではなく、一般のビジネスホテルだ。それでも日本代表への思いは変わらない。「(ホテルの)“壁ってこんなに近い?”って思ったけどね。でもこのエンブレムがあれば全然問題ないよ。誇りに感じる」。日本代表ユニホームの象徴、左胸の八咫烏(やたがらす)を叩いてみせた。

 観客席には「KINGの魂を世界へ」の横断幕。カズも「サプライズだね」と目を丸くした。98年、W杯フランス大会の直前。カズのまさかのメンバー落ちは国民的関心事となった。金髪に染め帰国した成田空港では「魂は向こうに置いて来た」の名言を残した。日本中があの無念を、言葉を忘れていなかった。

 「点を決めないとカズダンスはできない。まずは試合に出ないとね」。これまで日本協会の広報すら不在だった合宿にテレビカメラ9台、68人の報道陣を集めた。新たな挑戦は始まった。日本代表にカズが帰って来た。

 ▼フットサルの主なルール 1チーム5人(GKを含む)。試合中一度退いても何度でも自由に交代できる。試合は20分ハーフで行われる。ピッチの大きさは縦38~42メートル×横20~25メートル(国際試合)でサッカーの約4分の1。主要なルールはサッカーと同じだが(1)キックイン、壁なしのFKなどは4秒以内に行う(2)退場者が出ても相手が得点した場合、交代要員を補充できる(3)オフサイドがない、など独自のルールもある。

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