×

“韓国キラー”だ!柴田2発 吉田監督「MVP」

[ 2012年8月31日 06:00 ]

<U―19女子W杯 日本・韓国>前半19分、柴田が勝ち越しとなるこの日2点目のゴールを決める

U―20女子W杯 日本3―1韓国

(8月30日 国立)
 吉田監督が「きょうのMVP」と褒めちぎったように、柴田が国際大会自身初となる2ゴールを奪って、10年U―17W杯決勝で敗れた韓国へのリベンジの立役者になった。昨年11月のU―19アジア選手権の対戦でゴールを奪った相性のいい宿敵に2発を見舞った。史上初の4強入りが懸かった大一番でも“韓国キラー”ぶりを発揮した。

 26日のスイス戦に続いてトップ下で先発。「きょうは得点を狙っていた」という言葉通りの活躍で、ヤングなでしこの超攻撃的サッカーをけん引した。前半8分、西川のスルーパスに反応してDFの裏に抜け出すと、飛び出してきた相手GKの鼻先で右足を合わせて貴重な先制弾を流し込んだ。圧巻だったのは1―1の同点に追いつかれた後の同19分の2点目。「(田中)美南からいいスピードのボールが来たので、思い切って蹴った」。ドリブルでペナルティーエリア手前に持ち込み、左足を迷わず振り抜いた。無回転のシュートは左ポストに当たって右サイドネットを揺らした。

 「一番好きなポジションはトップ下。参考にしているのは香川真司選手のプレーです」。ゴール前で類いまれな攻撃センスを発揮する。所属する浦和の村松監督は「ゲームメーカーというよりチャンスメーカー。ゴール前で決定的な仕事ができる」と厚い信頼を置く。性格は勝ち気で、勝負に対する執着心は誰よりも強い。「常に理想を追い求め、納得がいかないと試合や練習の後に涙を流すこともある」と同監督。「いいイメージがあった」という韓国との大一番の前にチームで書いた寄せ書きには「勝利」の2文字を書き込んだ。

 1次リーグ初戦メキシコ戦でも1ゴールをマークしており、今大会3得点。「ボールタッチは誰にも負けない自信がある。これで満足はしないで、次もゴールを狙います」。トップ下といえば田中陽に注目が集まっているが、ヤングなでしこには柴田というタレントがいることを忘れてはいけない。

 ◆柴田 華絵(しばた・はなえ)1992年(平4)7月27日、福岡県北九州市生まれの20歳。兄の影響でサッカーを始め、中井サッカー少年団、リトル・マーメイド、神村学園中等部、神村学園高等部を経て11年に浦和に入団。高校2年時に全日本高校女子サッカー選手権大会(09年)で準優勝。昨季はリーグ戦10試合に出場し1得点。好きな食べ物はタコめんたい。1メートル53、43キロ。

 【日韓戦VTR】

 ▽ロンドン五輪・男子3位決定戦(8月10日、カーディフ)日本は1トップで永井が先発。大津、清武、吉田らベストメンバーがスタメンに名を連ねた。前半38分、カウンターから韓国に先制点を奪われる。1点ビハインドで前半を折り返すと、後半12分にも追加点を奪われ0―2となった。シュート数は両チームとも10本ずつだったが、日本は決定機をつくり出せないまま得点を奪えず。五輪44年ぶりのメダル獲得を逃した。

 ▽U―19女子アジア選手権ベトナム大会・韓国戦(11年10月8日)先発は京川、猶本、田中陽、藤田、浜田ら。0―0で迎えた後半14分に浜田のスルーパスを受けた京川がGKとの1対1を冷静に流し込むと、2分後には後半から途中出場した横山の約25メートルの豪快なミドルシュートが決まってリードを2点に広げる。同34分には柴田のゴールで3―0。後半40分に1点を返されたが、3―1で快勝した。

 ▽U―17女子W杯トリニダード・トバゴ大会決勝・韓国戦(10年9月25日)京川、横山、猶本、田中陽、浜田らが先発。前半6分に先制されるが、5分後にCKのこぼれ球を猶本が押し込んで1―1。同17分に田中陽の追加点で逆転に成功するが、ロスタイムに直接FKを決められて2―2で前半を折り返す。後半12分に再び勝ち越したが、同34分に追いつかれて3―3のまま延長戦に突入。120分でも決着がつかず、PK戦(4―5)で惜敗した。

続きを表示

2012年8月31日のニュース