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先発絶望も…関塚ジャパン初の決勝へ、永井がスーパーサブ

[ 2012年8月7日 06:00 ]

腕組みし、うつむく永井

ロンドン五輪サッカー男子準決勝 日本―メキシコ

(8月7日 ロンドン)
 サッカー男子の日本は7日(日本時間8日午前1時開始)の準決勝でメキシコと対戦する。4日の準々決勝エジプト戦で左太腿打撲を負ったFW永井謙佑(23=名古屋)は先発出場が絶望的な状況だが、懸命の治療を続けておりスーパーサブとして出場を目指す。68年メキシコ五輪の銅メダルから44年。男子サッカーでの史上最高成績を残すため、関塚ジャパンが大一番を迎える。

 スピードスターが一人戦っている。関塚ジャパンは5日、準決勝の会場「サッカーの聖地」ウェンブリーを視察した。チームメートが携帯電話で写真を撮り合うなどリラックスした表情を浮かべる中、永井は終始うつむき加減だった。報道陣の問いかけにも「すみません」と声を絞り出すのが精いっぱい。左足を痛々しく引きずりながら歩いた。

 4日の準々決勝エジプト戦で左太腿を打撲。治療を続けているが、準決勝出場は厳しい見通しだ。メキシコ戦は大津が1トップに入ることが有力だ。攻撃的MFには清武、東に加えて斎藤が先発起用される可能性が高い。しかし、関塚監督は、試合展開によっては永井を強行出場させることを想定しているとみられる。スーパーサブとして終盤に投入する作戦だ。

 負傷を抱えているとはいえ50メートル走5秒8の快足は強力な武器。守っては前線のチェイシング(相手を追いかけること)でメキシコの細かいパスワークを分断する。攻めてはDFの裏で縦パスやアーリークロスを受けてショートカウンターで決定機をつくる。リードしていれば逃げ切るための、負けていれば点を取るための切り札として使える。

 勝てば日本初の決勝。順当なら優勝候補ブラジルと金メダルをかけて戦うことになる。3歳から8歳まで幼少期を過ごし、ストリートでボールを蹴って遊んだ、サッカー選手・永井の原点。第2の母国との大一番にたどり着くためにもピッチに立って貢献する覚悟だ。

 「いろんな人の思いを背負っている。ピッチに立ったら後悔しないようにやりたい」と思いを口にしていた永井。今や欧州のクラブも注目する男が出番を待つ。

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