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メダルへ秘策!なでしこ ショートコーナーで大型DFかく乱

[ 2012年8月6日 06:00 ]

なでしこ練習で軽快な動きを見せる沢

ロンドン五輪女子準決勝 日本―フランス

(8月5日 ロンドン)
 打倒フランスに秘策あり。FIFAランク3位のなでしこジャパンは日本時間7日午前1時開始の準決勝で同6位のフランスと対戦する。5日はロンドン市内で非公開練習を行った。開幕直前の7月19日に敵地で行った親善試合でフランスと対戦した時はあえて封印し、今大会も4試合で2度しか試していない“スペシャルプレー”でメダルを確定させる。

 自信には裏付けがあった。直前に0―2で完敗した相手との激突にもかかわらずフランスと対戦が決まった時、選手が一様に口にしたのは「次は負ける気がしない」というリベンジの言葉。根拠はその前哨戦にあった。

 親善試合でフランスには欧米勢独特の高さとパワーだけではなく組織力も見せつけられた。勝利で勢いをつけて英国入りするプランは崩れたが、実は隠していたものがある。ショートコーナーを封印していたのだ。

 川澄は親善試合後「相手とのかけひきで(ショートコーナーをやる)チャンスがなかったのもあるが、全部見せることもない。結果的に良かった」と話した。佐々木監督も「彼女たちに任せてショート(コーナー)は封印した」と話し、その後非公開練習で繰り返し練習したことも明かした。

 今大会ここまでの4試合で攻撃のCKは14回。そのうちショートコーナーを試したのはわずか2回。準々決勝ブラジル戦では1点リードの後半19分に左CKのチャンスがあり、キッカーの宮間は川澄を呼び寄せ試そうとした。だが、佐々木監督がベンチから回避を指示。指揮官は決定機が少なくなることが予想される準決勝以降に備え本番でも使う機会を最小限にとどめるようにしたのだ。

 ロンドンでの初練習となったこの日の非公開練習でもCKをチェックしたもようだ。今大会キックにさえがない宮間について佐々木監督は「僕がやってくれると言えばやってくれる」と太鼓判。宮間も「タイミングが合えば、できる選手もそろっているしやりたい」と満を持して披露する考え。宮間がいったん川澄に預けて、ポジションを変えてからリターンを受け、クロスを入れるなど、いくつかのパターンを用意しているもようだ。

 1メートル87のDFルナールをはじめフランスは大型選手ぞろい。まともにクロスを上げてもはね返される。ショートコーナーならタイミングを外し、相手の陣形を崩し、マークを混乱させることもできる。リターンを受けた宮間が、そこに正確なキックを送れば得点の確率は上がるはずだ。

 ▽ショートコーナー CK(コーナーキック)の際、ゴール前に直接クロスを入れるのではなく、近くにいる味方選手にパスを出して、そこから攻撃を組み立てるプレー。ゴールに向かって角度のない位置(コーナーアーク)からのキックを回避し、多少角度をつけてクロスやシュートを蹴り込んだり、守備側のタイミングを外したりできる。また、クロスを奪われて相手からカウンターを受けることを防いだり、時間稼ぎのために使うこともある。

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2012年8月6日のニュース