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なでしこ“最終テスト”完敗…五輪へ不満仕上げ

[ 2012年7月20日 06:00 ]

<フランス・日本>前半、沢がシュートを放つも惜しくも外れる

 金メダル獲得を目指すFIFAランク3位のなでしこジャパンは、ロンドン五輪前最後の強化試合で同6位のフランスと敵地で対戦し0―2で敗れた。フィジカルで勝るフランスに序盤から押し込まれ、前半24分に先制ゴールを奪われ、後半28分にもCKから失点。MF沢穂希(33=INAC神戸)らがゴールに迫ったが、及ばなかった。なでしこジャパンは20日に英国入り。25日の五輪1次リーグ初戦でカナダと対戦する。

【試合結果】

 前半終了間際にやっと訪れた最大のチャンスも不発に終わった。

 0―1で迎えた前半43分。ドリブル突破を仕掛けた大野が倒されて得た、ゴールほぼ正面22メートルのFK。名手・宮間が右隅を狙ったボールはGKの手にはじかれ、はね返りを詰めた沢の右足シュートは左ポストを直撃してゴールをそれた。同44分には4戦連発中の大儀見が右足でシュートを放つも、GKがセーブ。悲願の金メダルを目指すなでしこジャパンの五輪前ラストマッチは、試合開始早々から一方的に攻め立てられ、前半を1点ビハインドのまま折り返した。

 まさかの展開だ。25日にカナダとの1次リーグ初戦を迎える日本がF組を1位で通過すると、準々決勝で対戦するのはG組2位。G組には女王・米国がおり、フランスが2位で通過してくる公算が極めて大きい。つまりフランスと4強入りをかけて戦う可能性が高いのだ。

 そのため、佐々木監督は「フランスがやってくるサッカーはモダンで、かつフィジカルなど全ての要素を備えたいいチーム。米国も素晴らしいチームだが、これからの女子サッカーの模範になるチームはフランス。世界の女子サッカーでも質の高いチームと五輪の前にやって確認できるのは、メダルを目指すわれわれにとってもいいプランだ」と話し、目標達成への試金石と考えていた。

 だが、始まってみると、フィジカルの差は歴然。前線から激しく来るフランスに小柄ななでしこたちは当たり負けし、ボールを支配された。エースの大儀見は「記録的なものを残していかないと周りを納得させることはできない。目に見える結果を残さないと」となでしこ史上初の5戦連発に向け気合が入っていたが、日本は前線にボールを運ぶことすらできず。不完全燃焼の前半となった。

 佐々木監督は後半22分に最年少の19歳FW岩渕を投入。昨年7月17日のW杯決勝米国戦以来368日ぶりの代表戦出場となった天才ドリブラーに前線の活性化を託した。だが、反撃に転じる前の後半28分、CKから失点し、0―2の完敗。赤の五輪用第2ユニホームを着て臨んだ一戦は順調に調整を続けてきた、なでしこジャパンに暗い影を落とす内容となった。

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