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孝行息子の一面も…バロテッリ 母にささげた“改心”の2発!

[ 2012年6月30日 06:00 ]

<ドイツ・イタリア>ゴールを決め、カッサーノに祝福されるイタリア代表バロテッリ

欧州選手権準決勝 イタリア2-1ドイツ

(6月28日 ワルシャワ国立競技場)
 イタリアは2―1でドイツを下し、3大会ぶり3度目の決勝進出を決めた。FWマリオ・バロテッリ(21=マンチェスターC)が2得点の活躍で貢献。68年大会以来11大会ぶり2度目の優勝を目指し、7月1日の決勝で初の連覇を狙うスペインと対戦する。またイタリアはアジア王者の日本が出場する13年コンフェデ杯出場が決定。スペインが10年W杯王者として出場するため、欧州代表として出場権を獲得した。

 度肝を抜いた。1―0の前半36分だ。「スーパーマリオ」と呼ばれる21歳が絶妙の動きで最終ラインの裏に抜けると、ペナルティーエリアの縁から右足でズドン。あまりの速さにGKノイアーが動けなかった一撃でバロテッリが流れを決めた。

 「人生最高の夜になった」と殊勲のストライカー。得点直後にはシャツを脱ぎ捨て、驚異の運動能力を生み出す肉体を誇示した。警告を受けた軽率な行為だったが「怒るヤツがいるとしたら肉体美に嫉妬しているからだろ」と笑った。前半20分には左クロスに頭を合わせて先制点。3得点で得点ランク首位に並んだ。

 最近2年間でクラブの公式戦と代表戦で、合わせて退場4回に警告22回の問題児。自宅で花火が原因のぼや騒ぎを起こすなど、ピッチ内外での騒動も絶えない。それでも「二度と退場でチームを10人にはしない」と素行改善を誓った今大会はここまで大きなトラブルはない。この日は孝行息子の一面も見せた。ガーナ移民の子供だった自身を2歳で養子に迎えてくれた養母シルビアさんが観戦。試合後に駆け寄って抱き合い「“ママにささげる”と伝えたんだ。この瞬間を長く待っていた」と明かした。

 好調ドイツ相手に劣勢が予想されたが、転換を図る攻撃サッカーはこの日も機能。パスを重ねて敵陣に迫り、前線の軸となったバロテッリが決定力を発揮すれば全開の予感が漂う。プランデッリ監督も「縦に動いてボールを引き出し、必要な時は体を張ってキープしてくれた」と称えた。決勝は1次リーグで1―1と引き分けた王者スペインが相手。悪童から脱皮を図る背番号9は「次はパパも来る。ママが来て2点だから次は4点決めたい」と豪語した。視界にあるのは優勝決定弾と単独得点王だ。

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