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沢 110日ぶり代表復帰!米国戦でリスタート

[ 2012年6月18日 06:00 ]

<サッカー女子日本代表練習>佐々木監督(左)の前で宇津木(左から2人目)らと激しく競り合う沢(右)

スウェーデン招待 日本-米国

(6月18日)
 沢が110日ぶりに国際Aマッチのピッチに立つ。国際親善大会スウェーデン招待に参加しているなでしこジャパンは18日、米国と対戦する。17日は試合会場で公式練習を実施した。2月29日のアルガルベ杯ノルウェー戦(ポルトガル)以来の先発出場が確定的なMF沢穂希(33=INAC神戸)にとって、米国戦は昨夏のW杯ドイツ大会決勝以来、約11カ月ぶり。良性発作性頭位めまい症を克服したエースが宿敵との一戦から再スタートを切る。
【スウェーデン招待メンバー 試合日程&結果 予想スタメン】

 ほとばしる情熱があふれた。米国戦前日。限られた約1時間の練習で沢のトレードマーク、ポニーテールが風に揺れた。

 「不安はないです。復帰戦でアメリカとやれるなんて楽しみ」

 復活の号砲を鳴らすにふさわしい。110日ぶりの代表戦は、世界一の称号を手にした昨夏のW杯決勝以来の米国戦。しかもスウェーデンは95年の世界選手権(現W杯)開催地で、沢は出場こそしなかったが、米国に0―4で完敗した屈辱の地でもある。「17年ぶりに帰ってきてアメリカとできるなんて不思議ですよね」と因縁を感じざるを得ない。

 数々の試練を乗り越えた沢にとっても今回の復帰ほど感慨深いものはない。良性発作性頭位めまい症に襲われたのは、アルガルベ杯で先発予定だった米国戦前夜の3月4日。立っていられないほどのめまいで倒れてしまったという。それから実戦復帰するまで約1カ月半も費やし、リーグ戦のピッチに立った際には涙をこぼしたほどだった。

 今回はそのアルガルベ杯以来の海外遠征。移動にも不安はあったが、特殊な耳栓や薬を用意。INAC神戸の山田晃広トレーナー(37)も同行するなど万全のサポート態勢を整えた。

 「いつも大きな大会前は大きなケガをして乗り越えている。だから今回もいい意味でサッカーの神様が試練を与えているとプラスに考えてます」。めまい症はサッカー選手では極めて珍しい病だったが、積み重ねた経験が後ろ向きになることを許さなかった。

 再出発は進化のお披露目のチャンスでもある。佐々木監督は、新布陣の4―1―4―1を米国戦の途中から導入することを明言している。沢のポジションは、いつものボランチの位置よりも1列前になるため、必然的にゴールのチャンスも増えてくる。新しいことに取り組むにはギリギリの時期だが、全てはロンドン五輪での金メダル獲得のためチャレンジすることを決めた。なでしこの象徴がバージョンアップして戻ってくる。

 【沢 復帰までのあゆみ】
 ▼2月29日 アルガルベ杯(ポルトガル)初戦ノルウェー戦に先発。
 ▼3月4日 めまいを起こして宿舎で倒れる。翌5日の米国戦は欠場し練習も不参加。
 ▼同12日 帰国後に良性発作性頭位めまい症と診断される。
 ▼同14日 INAC神戸の練習に合流もウオーキングのみ。ボールを蹴り始めたのは30日から。
 ▼4月22日 リーグ戦の福岡AN戦に後半27分から途中出場し、53日ぶりに実戦復帰。
 ▼5月5日 千葉戦で今季初のフル出場。視察した佐々木監督の前でアシストも記録。
 ▼6月5日 スウェーデン遠征メンバーに選出。約3カ月ぶりの代表復帰決定。
 ▼同12日 代表の千葉合宿に合流。13日の男子大学生との試合形式でもボランチでプレー。

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2012年6月18日のニュース